子どものすべてを把握しておきたい、子どもを思い通りに動かしたい......自分ではそんなつもりはなくても、そうなってしまう母親がいます。子どもの将来を考え、そうならないようにするために、自分の気質等を知っておく必要があるでしょう。

 

 

女性

 

知らず知らずのうちに 「毒母」になっていませんか

 

「毒母」って、言葉がちょっとコワイですよね。だから、自分は関係ないと思っている方も多いでしょう。

でも、この「毒」とは、実は「不安」のこと。心配性で、「◯◯でなければいけない」という思い込みが強く、子どもを自分の思い通りにさせたい、そんなお母さんたちのことなのです。

たとえば、人にどう思われるかが不安で、「子どもをちゃんとさせなければ!」という思いが強いと、子どもが挨拶しないとか、片づけないとか、こぼすとか、お友だちと仲良くできないと、カッとなってしまいます。

「人よりよくできなければいけない」――そんな思いが強いと、他の子とくらべて一喜一憂し、わが子ができないと落ち込んでしまいます。

また、「急がなければ」という焦りが強いと、子どもの成長を見守ることができず、目の前の状態に過剰反応して、ガミガミ叱ってしまいがちです。

子どもがやりたいことが自分の想定外だと、拒否してしまったり、子どもが頑張ったことも、アラが目についてホメたり喜んだりできず、ダメ出しが多くなります。

すると子どもは、お母さんが怖くて萎縮し、「いい子」になるか、緊張が強くなり、おねしょや便秘、なかなか寝ない、指しゃぶりや爪噛み、登園しぶりなど、不安の表われである症状を出すようになります。

どうでしょうか。思いあたることはありませんか?

 

こんなお母さん、要注意!

 

•子どもといるのが楽しくない

•子どもと遊ぶのは苦手

•添加物や食品汚染に過敏

•スナック菓子やゲームは与えない

•おもちゃは、知育玩具が多い

•「~でなければいけない」というマイルールが多い

•つねに時間を気にして、段取りを考えている

•いつもアセって、イライラしている

•次のセリフをよく言っている

「ちゃんとしなさい」「早くしなさい」「お友だちと仲良くしなさい」「ワガママはダメ」「ガマンしなさい」「言う通りにしなさい」

 

毒母にならないために今できることがあります

 

心配性で過干渉なお母さんは、自分では「子どものため」と思っていますが、本当は、自分が安心したいだけなのです。子どもがいい子だと親は安心しますが、子どもはつねに親の顔色を窺っています。そして、人の思惑や評価が気になって、自分を出せない大人になってしまいます。

本来、親の役目は、子どもを安心させ、喜ばせることです。子どもの気持ちに共感し、意思を尊重して育てると、その子は人に理解され、尊重され、やりたいことができる、幸せな大人に育つからです。

そのために次の5つを守って、大事なお子さんを自己肯定感の高い、思いやりのある、ステキな大人に育ててください。

 

(1)怖がらせないこと

怒って外に締め出す、無視する、置いてくよ! などと脅す、不機嫌な顔をする......。これらは子どもにとってトラウマになり、対人不安の元となります。

 

(2)ガミガミ言わないこと

片づけなさい、さっさとしなさい、手伝いなさい、早く寝なさい、などとガミガミ言われれば言われるほど、子どもは片づけや支度、家事ができない、夜眠れない大人になります。

 

(3)成長を待つこと

目の前の状態に過剰反応せず、長い目で子どもを見守り、成長を待ちましょう。今できなくても問題ありません。アセってしまって待てないのは、親の側の問題です。待つことこそ親の務めなのです。

 

(4)尊重すること

子どもを先生だと思って尊重しましょう。本当は、子どものほうが物事をわかっていて、親のこともお見通しです。それは、幼い子ほど、感受性や共感能力が高いからです。ああしろこうしろと指示・命令するのは、子どもに失礼だ、と考えてください。

 

(5)夢を育てること

子どもがやりたいと言うことは、何であれ、大切な夢です。むげに否定すると、やりたいことがわからない大人になります。ぜひ応援してください。

 

「ちゃんとしなさい」病、「早くしなさい」病が治った!

 

子どもがちゃんとしていないと、説教が止まらなくなる、というお母さんがいました。「とにかく子どもの顔をよく見て!」とお伝えしたところ、実践され、説教が短くなったばかりか、「自分が言っていることなんて、何の意味もない」と気づかれ、「ちゃんとしなさい」と言わなくなりました。
また、毎朝、子どもを追い立てるように支度させていたお母さんは、自分が「子ども」より「時間に遅れないこと」を優先していたと気づき、急かすのをやめたところ、むしろスムーズに支度が進み、「これまでどれだけ無駄に叱ってきたか」と、いたく反省されていました。
このように、イライラして叱るのは親のほうの「思い込み」が本当の原因で、子どもは何も悪くないのです。

 

 

 



 

「PHPのびのび子育て」 2月号より

 

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本記事は、「PHPのびのび子育て」2019年2月号特集【3・7・10歳で変わる! 心が荒れる子・おだやかで強い子】より、一部を抜粋編集したものです。

 

 

【著者紹介】
高橋リエ(たかはし・りえ)
母娘*謎解きカウンセラー。自分が重度のアダルトチルドレンだと気づき、自身の問題に取り組みながら心理療法を学び、カウンセラーとして活動を始める。都内メンタルクリニック勤務を経て、2013年に独立。経験を元に現在、サロンやセミナー、個別カウンセリングやトラウマ解放のワークショップ、各種講座を行なう。