「短所」が「長所」に変わるセルフトーク

榎本博明

感情的に叱っても、子どもは変わりません。まずは、あなたの気持ちを落ち着けましょう。

※本稿は『PHPのびのび子育て』2013年9月号に掲載されたものを一部抜粋・編集したものです

【著者紹介】榎本博明(えのもと・ひろあき)
1955年生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在、MP人間科学研究所代表。主な著書に、『伸びる子どもは○○がすごい』『勉強できる子は○○がすごい』(以上、日経プレミアシリーズ)、『教育現場は困ってる』(平凡社新書)、『〈自分らしさ〉って何だろう?』『「さみしさ」の力』(以上、ちくまプリマ―新書)『「やさしさ」過剰社会』(PHP新書)などがある。

むやみに叱っても、子どもは変わらない

「そんなにウジウジしないで、自信をもってハキハキ言いなさい!」と叱られて、積極的に発言する子になるでしょうか。

「もっとお友だちにやさしくしないとダメでしょ!」と叱られて、やさしい子になるでしょうか。「もう飽きたの!? ちゃんと集中しなさい!」と叱られて、集中力のある子になるでしょうか。なるわけがないですよね。

感情的になって非難するような叱り方だと心に染み込まず、むしろ反発する気持ちがわくため逆効果です。わが子の性格の短所にイライラしたときは、セルフトークをうまく活用しましょう。セルフトークとは、心の中で自分自身に語りかける言葉のことです。

セルフトークで気持ちを落ち着け、親がおおらかな態度で接することができれば、子どもの短所が改善され、長所が伸びていく可能性が高まります。親の自己コントロール力が勝負と言えるでしょう。