短所ばかり見ていませんか? 親の「目線」が子どもの性格を決める!

榎本博明
2023.10.11 10:39 2023.02.01 18:56

視点が後ろ向きになっていませんか?

抱っこされる子ども

親にポジティブな視点があれば、子どもはのびのびと素質を開花させていきます。一方、不安や不満が強く、批判がましい親のネガティブな視点があると、子どもは萎縮してしまいます。あなたは、どちらの視点を持っているでしょうか?

おおらかで前向きな親になることで、子どもの性格は好ましい方向へと発達していきます。つい後ろ向きになりがちな親御さんも、子育ては自分を変えるチャンスだと思って、自分の視点改善に取り組んでみましょう。

あなたの「受け止め方」が子どもの性格に影響します

お子さんにどんな態度で接しているでしょうか?ちょっと振り返ってみましょう。

ぜひ覚えておいてほしいのは、同じ素質が親の見方しだいで、好ましい性格にも好ましくない性格にも発展していくということです。

例えば、細かなことを気にする子に対して「何でそんなことを気にするの」と否定的にとらえてイライラしがちな親のもとで育つ子と、「がさつでなくて良かったけど、もうちょっとおおらかになれるといいな」と鷹揚に構える親のもとで育つ子とでは、素質が同じでも、まったく違った方向に性格がつくられていきます。

必要なのはおおらかさです

子どもと手をつなぐ
(※写真はイメージです)

子どもの性格は、親の期待や不安を反映するようにして形成されていく面があります。子どもはあなたを映す鏡、子育てはまさに自分育てなのです。自分の中のイライラや不安を解消し、おおらかになれるように心がけましょう。

子どもの良いところを伸ばしましょう

長所に目を向ければ、好いスパイラルがまわりだします。

わが子の性格の問題点が気になってしようがないという親は、短所にとらわれるあまり、長所に目を向けることを忘れてしまっています。それでは子どもがかわいそうです。そんなネガティブな視線にさらされたら萎縮してしまい、長所を伸ばせなくなってしまいます。

短所を変えることより長所を伸ばすことに重点を!

子どもの性格の良いところに目を向けてみましょう。わが子にもこんな良い面があったんだと思うことで、気持ちに余裕ができ、短所にイライラする気持ちも和らぐはずです。その結果、ポジティブな視線を子どもに投げかけられるようにもなります。

子どもは、あなたに長所を褒められでもすれば有頂天になって、もっと良い方向に自分を伸ばそうと努力することでしょう。長所が伸びれば自信もつき、前向きな行動が増えて、短所も目立たなくなっていきます。まさに、性格形成における好循環が生まれるのです。

榎本博明

榎本博明

1955年生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在、MP人間科学研究所代表。主な著書に、『伸びる子どもは○○がすごい』『勉強できる子は○○がすごい』(以上、日経プレミアシリーズ)、『教育現場は困ってる』(平凡社新書)、『〈自分らしさ〉って何だろう?』『「さみしさ」の力』(以上、ちくまプリマ―新書)『「やさしさ」過剰社会』(PHP新書)などがある。