7歳から始まる子どもの変化とは? 子育てのポイントは「見つめる」
7歳の節目を迎え、日々成長していくわが子。子育てがしっくりいかなくなってきた……そんな時は、子どもをよ~く「見つめて」みましょう。
※本稿は、中垣俊子著『7歳からは、見つめて、待って、ちょっと話す』(PHP研究所)から一部を抜粋し、編集したものです。
【著者紹介】中垣俊子
1967年生まれ。認定心理士。保育士。1996年に女性のためのカウンセラー「コルネット」を主宰し、子育てや夫婦関係・仕事など女性の心理カウンセリングや、心理カウンセラーの養成、小学生の放課後スクール「アドラーこども学校」の運営を行っている。また行政やNPO法人の依頼による講座の開催や、不登校の親の会のサポートを行う。
親だからこそ”見えていないこと”がある
子どもと毎日一緒にいるお母さん。子どものことは一番よく知っています。でも、しばらく会わなかった方に、「わ~、背が伸びたわね」 と言われて、改めて気づいたなんてこともあると思います。小さな日々の変化は、毎日一緒だからこそ見えにくいのです。
そして生まれてからずっと一緒にいるからこそ、気づきにくいこともあります。2、3歳のときに泣き虫だったとか、幼稚園ではお友だちを泣かしちゃったなど、以前のパターンや印象的なエピソードがイメージに残っていて”今”の子どもとずれていることがあります。
きょうだいの影響も見てみましょう。物静かなお姉ちゃんだと弟のことをより騒がしく感じたり、元気なお兄ちゃんだと大人しい妹を弱々しく感じたり、知らず知らずのうちに、きょうだい間の比較でタイプ分けをしている場合があります。姉との比較では騒がしいと感じていた弟も、もっと大勢と比べると実は大人しい方だった!? なんてこともあります。
7歳は、成長が見えにくいお年頃
幼い頃の成長は目に見えてわかりやすいものでした。ハイハイから立ち上がったり、話し言葉が増えたり、おむつがとれたり……。懐かしいですね。
しかし7歳から10歳くらいの成長は、内面的な変化が特徴的です。相手の立場に立つことができるようになったり、行動の意図をくみとれるようになったりします。例えば、「つまみ食いしようとして1枚のお皿を割った場合と、お手伝いしようとして10枚のお皿を割った場合ではどちらが悪い?」 と質問したとしましょう。
7歳を過ぎると、つまみ食いしようとした方を悪いと考えるようになる子が増えてきます。しかしそれ以前の段階では、意図や理由などを考えずに単純に1枚より10枚割った方が悪い、と考えるのです。
こんな風に、見方や感じ方が成熟してくるのがこの時期の特徴ですから、それは外から見えにくいものです。しかしよく見ていると、子どもの行動が少しずつ変化しているのがわかります。
ほんのちょっと相手にゆずったり、できないことを練習するようになったり、負けそうでも最後までゲームを続けられたり、大人にとっては当たり前の行動が、この時期の子どもたちの成長を表しているのです。ですから、意識的に子どもを見つめることが重要になります。
日々の心情を見つめる
悔しい涙にがっかり涙、ふくれっつらかと思ったら、もう笑ってる! 毎日いろんな顔を見せてくれる子どもたち。ストレートでわかりやすいのが幼児期の子どもたちです。
しかし児童期になるとこうした感情表現が控え目になってきます。というのも、怖がったり、すぐ泣きだしたり、騒いだり、といった大げさな表現が子どもっぽいと感じ始めるからです。
さらに友だちから指摘を受けたり、大人の真似をしたりすることで、感情的な反応が控え目になり、その代わり言葉やしぐさなどで示すようになります。また怖いけれど強がるなどの、本当の気持ちとは反対の表現も増えてきます。
こうした子どもたちの毎日の心情や思いを感じとるには、ただ見るだけではない”見つめる”ことが必要になります。
反射から対応へ、接し方を変える
幼い子どもを守るには、「危ない!」ととっさに声を出す、道に飛び出しそうになったら掴まえるなど、考えるより先に動かなければいけないことが多くあったと思います。
また、お菓子や飲みものを開ける、高いところにあるものをとってあげるなど、当然子どもにはできないであろうことを見越して、ぐずる前にスッとやってあげることが習慣になっているお母さんもいらっしゃると思います。
子どもが7歳になったら、これまでに身についた幼児向けの反射的なサポートを、児童向けの意識的サポートに変更する時期です。そしてその第一歩が”見つめる”なのです。意識的に対応するサポートは、相手をよく見つめて、子どもを知ることから始まります。
本当に危険な場合をのぞいて、まずは口と手を封印して見つめましょう。 そうして、”どんなサポートをすると子どもがより成長するのか””子どもに学んでもらうためにはどんなサポートが必要なのか”を考えながら、一拍置いた対応を心がけましょう。
7歳からは、見つめて、待って、ちょっと話す(PHP研究所)
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