旅行へ連れて行くと、子どもの地頭がよくなる!?

陰山英男
2023.10.13 16:23 2023.02.17 14:33

木登りをする子ども

頭のいい子に育てるためにオススメなのが、旅行です。隂山英男『子どもの頭が45分でよくなるお父さんの行動』の一部をご紹介します。

※本記事は『子どもの頭が45分でよくなるお父さんの行動』(陰山英男著、PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです

陰山英男(かげやま・ひでお/陰山ラボ代表/教育クリエイター)
1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。兵庫県朝来町立(現朝来市立)山口小学校教師時代から、反復学習や規則正しい生活習慣の定着で基礎学力の向上を目指す「隂山メソッド」を確立し、脚光を浴びる。
2003年4月尾道市立土堂小学校校長に全国公募により就任。百ます計算や漢字練習の反復学習を続け基礎学力の向上に取り組む一方、そろばん指導やICT機器の活用など新旧gを問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実現している。過去、文部科学省中央教育審議会教育課程部会委員、内閣官房教育再生会議委員、大阪府教育委員会委員長などを歴任。2006年4月から2016年まで、立命館大学教授。現在、陰山ラボ代表。陰山メソッド普及のため教育クリエイターとして活躍し、講演会等を実施するほか、全国各地で教育アドバイザーなどにも就任、子どもたちの学力向上に成果をあげている。

家族で旅をしよう

手をつなぐ親子

家族が体験を積み重ねるために父親は何をしたらいいか、そう聞かれれば、私は即座に「家族で旅をする」と答えます。私自身が旅好きということもありますが、旅には人を育てるいろいろな要素が含まれています。第一、楽しい! 人生は楽しいものと知らせるには旅が一番です。

実際、私は上の2人の娘を幼い時に海外に連れ出しています。通常は、ハワイとかグアムが子ども連れの海外旅行のスタート点になっているようですが、それではおもしろくないと思い、3泊4日でフィリピン、別の年には同じく3泊4日で韓国に行きました。

フィリピンでは観光名所ではなく、幼い子どもが働いているようなスラム街に連れていきました。韓国では北朝鮮の軍事境界線のある板門店に連れていきました。子どもに当時のことを覚えているかと聞いても記憶はおぼろげなようですが、2人とも大人になってからどんどん海外に行くようになりました。

長女は上海まで船で行き、バスで東南アジアに入るというバックパッカーのような旅のしかたをするようになりました。北京で中国語の語学留学をしていた半年間に飛行機でシルクロードの先まで行ったり、新婚旅行にはマチュ・ピチュを選んだりして、わが家で移動距離が一番長いのが彼女です。また次女は、ロンドン留学中に自転車でイギリス全土と東欧・バルト三国を走り回っています。

海外に出る意識のハードルが低いのは、私の刷り込みだと密かに自負しています。

国内旅行も長期の休みのたびにしていました。パンフレットに載っているような名所旧跡を訪ねる定番の旅ではなく、たとえば舞鶴からフェリーに乗って翌々日の早朝に小樽に着き、地元の市場でエビやイカを買います。それをコンビニで調達したご飯の上に載せて、即席海鮮丼を作って浜辺で食べるようなワイルドな旅です。新鮮な海の幸を安い値段で手に入れてご飯を作る様子は、子どもたちの勉強になったと思います。

わが家では妻も旅好きで、小さいころから妻に連れられて九州旅行などに出かけていた長男は、大学時代にはバイクに夢中になり、北海道をはじめ全国をツーリングした結果、3年で8万㎞を走り切っています。

陰山英男

陰山英男

1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。兵庫県朝来町立(現朝来市立)山口小学校教師時代から、反復学習や規則正しい生活習慣の定着で基礎学力の向上を目指す「隂山メソッド」を確立し、脚光を浴びる。
2003年4月尾道市立土堂小学校校長に全国公募により就任。百ます計算や漢字練習の反復学習を続け基礎学力の向上に取り組む一方、そろばん指導やICT機器の活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実現している。過去、文部科学省中央教育審議会教育課程部会委員、内閣官房教育再生会議委員、大阪府教育委員会委員長などを歴任。2006年4月から2016年まで、立命館大学教授。現在、陰山ラボ代表。陰山メソッド普及のため教育クリエイターとして活躍し、講演会等を実施するほか、全国各地で教育アドバイザーなどにも就任、子どもたちの学力向上に成果をあげている。