メリットがたくさん!リビング学習のすすめ

陰山英男
2023.10.13 16:23 2023.02.17 14:33

勉強をする男女

低学年ではリビング学習をする家庭が多いようですが、いつまでリビング学習をすればいいかと、よく質問されます。その質問に対しては、「子どもによって違う」と答えています。高学年になって静かな環境で問題を集中して解きたい子は子ども部屋に移るでしょうし、多少の雑音があっても平気な子、むしろ雑音があったほうが効率がいいという子もいるので、個々に任せるのがいいでしょう。

メリットがたくさんあるリビング学習ですが、問題点もあります。

よく聞くのは、「きょうだいが邪魔をしてしまって集中できない」ということです。小学生のお兄ちゃんがいて、学齢前の弟や妹がそばで遊んでいる場合、ついつい一緒になって遊んでしまいがちです。その時は、下のきょうだいに、

「今、お兄ちゃんは勉強中だから6時になるまで静かにしていてね」

と言い含めてお兄ちゃんの勉強を優先させます。下のきょうだいにも勉強の大切さがわかるので、自分が勉強する年齢になった時に、進んで机に向かうことができます。

もう一つはお父さんの問題です。子どもが勉強しているそばでテレビを観みたり、ゲームをしたりして、子どもが勉強に集中できない場合です。

疲れて帰宅してビールを飲みながらテレビを観る楽しさはわかりますが、ここはせっかく子どもが勉強しているのですから、録画するなどして子どもの勉強を優先させたいものです。でもそうなるのは、家に父親のスペースがないのが原因です。

リビングにテーブルと学習机があり、壁には作品や年表が貼ってあったりしたら、帰宅した父親はなごめません。

基本的にリビングはお母さんのテリトリーですから、できるならどこかに父親のスペースを作るといいのです。もし、それができなければどうするか。

しかたありません。子どもが起きているあいだは子どもを優先するしかなく、子どもが寝てからを大人の時間とするしかありません。

私もそうでしたが、子育ての最後はガマンです。

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子どもの学力・地頭力は父親しだいで伸びる! 百マス計算でおなじみの著者が、2女1男を育てた経験から伝授する父親がするべきこと。

陰山英男

陰山英男

1958年兵庫県生まれ。岡山大学法学部卒。兵庫県朝来町立(現朝来市立)山口小学校教師時代から、反復学習や規則正しい生活習慣の定着で基礎学力の向上を目指す「隂山メソッド」を確立し、脚光を浴びる。
2003年4月尾道市立土堂小学校校長に全国公募により就任。百ます計算や漢字練習の反復学習を続け基礎学力の向上に取り組む一方、そろばん指導やICT機器の活用など新旧を問わず積極的に導入する教育法によって子どもたちの学力向上を実現している。過去、文部科学省中央教育審議会教育課程部会委員、内閣官房教育再生会議委員、大阪府教育委員会委員長などを歴任。2006年4月から2016年まで、立命館大学教授。現在、陰山ラボ代表。陰山メソッド普及のため教育クリエイターとして活躍し、講演会等を実施するほか、全国各地で教育アドバイザーなどにも就任、子どもたちの学力向上に成果をあげている。