怒らない、叱らない?「何を言っても聞かない子」が変わる親の接し方

庄子寛之
2023.10.13 16:32 2023.02.20 23:20

1人で歩く子ども

遊んでばかりで宿題をしない。いつまでも、ゲームをやめない。散らかしっぱなしで片付けない…。何度叱っても、子どもが言うことを聞いてくれないと、悩んでいる人も少なくないはず。

これまで様々な親子と接してきた小学校指導教諭の庄子寛之さんは、「伸びる子の両親には、口出ししたくなるタイミングでも待ち、我が子の可能性を信じている」という共通点があると解説します。

※ 本稿は、庄子寛之著『子どもが伸びる「待ち上手」な親の習慣』(青春出版社)より、内容の一部を抜粋・編集したものです。

【著者紹介】庄子寛之(しょうじ・ひろゆき/東京都公立小学校指導教諭)
大学院にて臨床心理学科を修了。道徳教育や人を動かす心理を専門とする。学級担任をするかたわら、「先生の先生」として全国各地で講演を行っている。最近では、教育関係者だけでなく、企業や保護者向けにも講演している。担任した児童は500人以上、講師として直接指導した教育関係者は2000人以上にのぼる。 元女子ラクロス日本代表監督の顔も持ち、2013年、U-21日本代表監督としてアジア大会優勝、2019年、U-19日本代表監督として日本ラクロス史上トップタイの世界大会5位入賞を果たす。

“待ち上手な親”が子どもを伸ばす

勉強をする男女

私は公立小学校の教師をして20年近くになります。「先生は怒ることはないんですか?」と聞かれるくらい、教室でも生徒に声高に注意をすることはありません。

20分休みの後の授業開始時がザワついていても、給食の片づけが遅くなっていても、教室移動に時間がかかっていても、怒鳴ったりしなくても子どもたちはちゃんとこちらの目線と雰囲気を読んで静かになり、授業を聞く態勢になります。

近年、職場でもハラスメント教育が浸透して「叱らない」上司・先輩が多いと思いようです。学校現場でも理不尽な叱り方や指導について、以前よりだいぶ減っているように感じます。

家庭ではどうでしょうか。子どもの成長過程において、まったく「叱らない」わけにもいきません。

小さいうちは危ないことを制止しなくてはいけない場面もありますし、学齢が上になれば、勉強についても気になってきます。

宿題をしない。ゲームをやめない。片付けない。子どもが言うことを聞かないとき、あなたはどうしますか? 

私は教師として、たくさんの子、たくさんの保護者と接してきました。その中で、伸びる子の親には、一つの共通点があったのです。それが「待ち上手」です。

口出ししたくなるタイミングでも待ち、我が子の可能性を信じていました。いつも笑顔で、ご自身が自分の人生を楽しんでおられるようでした。

とはいえ――理想は分かるけれど、実践はできない。つい怒ってしまう。

そんな方々のために、私が保護者の皆さんから学んできたことや、自分のクラス・家庭で行ってきたことから、誰でも「待ち上手」な親になることができる方法をお伝えします。

庄子寛之

庄子寛之

大学院にて臨床心理学科を修了。道徳教育や人を動かす心理を専門とする。学級担任をするかたわら、「先生の先生」として全国各地で講演を行っている。最近では、教育関係者だけでなく、企業や保護者向けにも講演している。担任した児童は500人以上、講師として直接指導した教育関係者は2000人以上にのぼる。 元女子ラクロス日本代表監督の顔も持ち、2013年、U-21日本代表監督としてアジア大会優勝、2019年、U-19日本代表監督として日本ラクロス史上トップタイの世界大会5位入賞を果たす。