子どもをガマンさせる時、受け止める時

波多野ミキ

理由2.親のガマンが足りなくなっている


子どもがお店で「おもちゃ、買って〜!」と大騒ぎしたとします。はじめは、「今日は買いませんよ」と言っていた親も、子どもが床にころがって、大声で泣きさけんだりすると、周りの人の目が気になり、恥ずかしいし、どうしていいかわからなくなって「しょうがない子ね。今日だけよ」などと、子どもに根負けしてしまうことはないでしょうか。

一度、「今日だけよ」と言ったら、それは「明日もいいわ」「いつでもいいわ」ということになってしまいます。

小さい子どものほしがるものは、たかが知れています。子どもの要求を受け入れたほうが、そのときは親も楽でしょう。でも、そこで負けてはいけないのです。子どもにもガマンを教えるには、親が「ダメなものはダメ」と貫きとおさなければならないのです。親にも忍耐力が必要です。

理由3.指示・命令ばかりで自分で考える習慣がない


お子さんに、指示したり命令したりすることが多くありませんか。指示ばかりされている子は、自主性が育たず、自分で考えたり、判断したりすることが苦手になってしまいます。

子どもには2、3歳のころ、なんでも「イヤ」という時期があります。そんなときは「着替えなさい!」と命令するのではなく、2、3枚の洋服を出して、「今日はどれを着る?」と聞いてみるのです。

自分で選べると思うと、子どもは喜んで着替えます。小さいときから、自分で選んで決めるということをどんどんさせてほしいのです。

ただし、親が決めるべきことと、子どもに決めさせてもいいことの区別はきちんとしなければなりません。

子どもは「あれをしてはいけません」「こうしなさい」と言われ続けると、反発します。自分で考えて判断できるように育てられた子は、「自分は親に認められている、信頼されている」と実感できていますから、ガマンする心も育つのです。