「思いやりの心は3歳で現れる」子どもの優しさを育む共感テクニック

堀田秀吾

<解決策>子どもの悔しさを「親が言葉にして」伝えてあげる

子どもは怒りや悲しみを上手く言葉にして消化することができず、すぐ行動で示そうとします。大人は子どもの反抗的な態度を叱りがちですが、子どもは上手く言葉にできないからこそ、モヤモヤした気持ちを処理できず、そうした行動に出てしまうのです。

人は不満を自分で解消することができないと、「攻撃」と「逃避」の2つの行動をとろうとします。このシーンに登場するアイリちゃんが見せた行動は、まさにこの2つです。

感情的になっている子どもは、思っていることを上手く言葉にできません。そのような時は、親のほうから子どもの気持ちに寄り添うことが大切なのです。

そして、子どもが思っていそうなことを、言葉にして伝えてあげると、子どものつっぱった態度は軟化しやすくなります。親に共感してもらうことで、ほっとするからです。

人は、共感を通してつながっている生き物ですから、共感がなくなると、攻撃的に、そして自分勝手になります。子どもの共感力を育てるためにも、普段から親が子どもに共感するようにしてあげることは、とても大切なのです。

トラブル時ではありますが、親子の絆を深められるきっかけになります。親御さんも共感的に対応できるといいですね。

まずは自分の子の気持ちに寄り添う

感情的になっている子どもは、自分の気持ちを言葉で適切に表現することは難しいです。だからこそ、大人が子どもの気持ちを代弁・共感する必要があります。それによって、子どもは「わかってもらえた」と感じ、溜飲を下げるのです。

お友達の手前、お友達を優先しがちですが、まずは自分の子の心に寄り添ってあげて。ママを取られた悔しさもあるみたいなので、「ママはアイリちゃんのお友達だから好きなんだよ」と言葉で伝えてあげては。中心は自分だと気づくと寂しさが落ち着くと思います。

【もっとやる気にさせる応用フレーズ】
・あなたのおかげでキミちゃんと仲良くなれたんだよ
・悲しい気持ち、すごくわかるよ

『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典』(三笠書房)
3歳~6歳までの子を持つお父さん、お母さん300人にアンケートを行い、
「どのような声かけをすれば、子どもがやる気になるのか」を徹底調査。
親御さんが太鼓判を押したベスト50の声かけをご紹介します。