「ダメ!」が口ぐせになってない? 子どもを納得させる親の一言
お悩み3. 注射を怖がって逃げようとする
子どもが最も嫌いで、でも避けては通れないもの、それは病院での注射です。子どもは嫌がることが多いシーン。うまく子どもの抵抗を和らげたいところです。
【言いがちフレーズ】
じっとしなさい!
【おすすめフレーズ】
ママがだっこしてあげる。力を抜いて、1.2.3で終わるよ!数えてみよう!
今日は予防注射の日。ケンちゃんは注射が大の苦手。診察室に入って、お医者さんが注射の準備をしています。看護師さんに慰められても、ケンちゃんは嫌がって逃げようとします。
「はい、ちょっとだけ、我慢してね」
お医者さんにそう言われても、ケンちゃんは落ち着きません。
「痛いの、やだ~」
ケンちゃんは泣きべそをかいています。
ケンちゃんが逃げようとするので、うまく注射ができません。
<解決策>「だっこ」は安心感のベース!
注射は大人にとっても嫌なもの。痛さはもちろんのこと、鋭い針が人体に刺さるという、見た目にも怖い、不安を誘うできごとです。子どもにとっては、なおさらです。じっと我慢して恐怖を受け入れろというのは土台無理な話です。
言いがちフレーズのように、「じっとしなさい!」とただただ命令されても、子どもは言うことを聞く気にはなれません。マイナスの感情を抑えるには、そうした感情が生まれてくる脳の部位とは違う場所を使うようにすることが最も即効性がある対処法です。
おすすめフレーズでは、「だっこ」という子どもが大好きな「ごほうび」を用意していることを伝えています。脳の報酬系を働かせるようにしているわけです。とてつもなく不安で不快な状況で、パパやママにだっこしてもらえるというのは、子どもにとってはこのうえなく安心感を与えてくれる材料です。
また、「我慢」を強いるのではなく、「1.2.3で終わるよ」と、一瞬で終わることを伝えてあげると、子どもは嫌な注射でも受け入れやすくなります。最後に、「数えてみよう!」と楽しそうなアクションを促すことで、子どもはだんだんその気になってくれます。
どれだけ我慢すればいいのか説明する
恐怖と痛みがどれくらい続くのか、子どもにはわからないから怖い。具体的にどれくらい我慢すればいいのか教えてあげると、子どもは我慢しやすいと思います。親がだっこしてあげるとパニックを和らげやすい。
言葉の理解が追いつかなさそうな子どもの場合は、ほかのもの(持参してきたぬいぐるみなど)で気を紛らわせると我慢できる。終わったらほめてあげたり、大きな試練を乗り越えたのだというお祝いを用意して、トラウマにならないようにしています。
【もっとやる気にさせる応用フレーズ】
・息を吐いてー、息を吐くと痛みが治まるよ
・ぬいぐるみ、だっこしよう
・注射する3秒間、ぎゅーしてるね
『子どもがやる気になる!「親のひとこと」言い換え辞典』(三笠書房)
3歳~6歳までの子を持つお父さん、お母さん300人にアンケートを行い、
「どのような声かけをすれば、子どもがやる気になるのか」を徹底調査。
親御さんが太鼓判を押したベスト50の声かけをご紹介します。