「わがままな子」が変わるひと言
わがままを言わないように「しつける」ことは、子どもの伸びていく芽を摘む要因になることもあるようです。健全な成長のために、わがままが必要である理由をご紹介しましょう。
※本稿は『PHPのびのび子育て』2011年5月号から一部抜粋・編集したものです
井戸ゆかり(東京都市大学人間科学部教授)
青山学院大学卒業。大妻女子大学大学院博士課程修了。学術博士。東京都市大学人間科学部児童学科教授、横浜市子育てサポート研修講師、渋谷区次世代育成支援地域協議会会長などを務める。著書に『子どもの「おそい・できない」にイライラしなくなる本』(PHP研究所)ほか。
「わがまま」が子どもを成長させる3つの理由
親は、概して、子どものわがままを言うのはよくないと考えていることが多いと思います。
確かに、わがままは、自分の思うことや言うことが相手に許容されないと(思い通りにならないと)かんしゃくを起こしたりすねたりなど、周囲にとって扱いにくい行動や協調性に欠ける行動とうつりがちです。
しかし、視点を変えてみると、自分の考えをしっかりと主張している、自分自身の思いを正直に表現しているなど、よい面もあると言えます。時には、わがままを言うことで親の気持ちを引きつけて心のSOSを訴えたり、甘えたい気持ちを表現していることもあります。
子どものわがままは、社会の中で生きていく上で必要なことを学ぶ大切な心の成長過程のひとつと言えるでしょう。