どうしてガマンが必要なの? 「自分をコントロールする力」 を育てよう

井戸ゆかり
2023.11.01 13:29 2023.03.02 11:53

ガマンが不足気味な親子

手をつなぐ親子

【親】時には厳しさも「子どものため」です。

子どもと言い争いをしたくない、子どもの機嫌が悪くなるようなことは避けたいなどの理由から、子どもの言いなりになっている場合があります。親としての威厳に欠け、子どもとのコミュニケーションが十分でないことも多く見られます。

【子】いつでも自分中心では社会性が育ちません

何でも言うことをきいてもらえる子どもは、わがままになり、自分の気持ちをコントロールすることができません。自己抑制が身についていないために、友だち関係に問題が生じたり、時には親に暴力をふるうなどのケースも見られます。

ガマンさせすぎ親子

男の子に注意する親

【親】圧迫は愛情を届きにくくします

しつけのためや強い子になってほしい、などの理由から、ガマンさせすぎることがあります。また、親が子どもの気持ちよりも自分の生活リズムや価値観を優先させたいがために、子どもにガマンを強いている場合も見られます。

【子】自分の考えが言えない大人になってしまうかも

ガマンばかりしている子どもは、自発性(自分の人生を切り開いていく力)が欠如しやすくなります。そして、自己主張ができなくなったり、何かをしたいと思っても大人の顔色をうかがい、自信がもてず消極的になりやすくなります。

井戸ゆかり

井戸ゆかり

青山学院大学卒業。大妻女子大学大学院博士課程修了。学術博士。東京都市大学人間科学部児童学科教授、横浜市子育てサポート研修講師、渋谷区次世代育成支援地域協議会会長などを務める。著書に『子どもの「おそい・できない」にイライラしなくなる本』(PHP研究所)ほか。