抱きしめるほどやさしい子に育つ! 親子の触れ合いは子どもの一生の宝物
【理由2】人の心は皮膚感覚とつながっているから
人を思いやることができるのは、自分が親に思いやられた経験があるからこそできるのです。逆に言えば、人に思いやられた経験がない子どもは、愛とは何かということも理解できないため、人を愛することさえ難しくなってしまいます。
思いやりや愛情をもっとも伝えるコミュニケーションは、抱っこやハグなどのスキンシップです。なぜなら、人の心は皮膚感覚と直結しているからです。研究では、温かい飲み物を手に持つと心も温かくなり、人にやさしくなることがわかっています。体の温かさと心の温かさは、脳の島皮質という同じ部位で感じているためです。
このように考えると、赤ちゃんは親からやさしく抱っこされたり、触れられたりすることで、親の体温や肌の柔らかさを皮膚で感じ、それを繰り返すうちに、親からの愛情や思いやりの気持ちを感じるようになります。そして、そのような体験はオキシトシンの分泌も促すため、やさしい心が育まれることになるのです。
日常の中で、こんなふうに触れ合おう!
親子で楽しくスキンシップをとり、幸せに生きていくために必要な力を育てていきましょう。
【ポイント1】無理なく触れる機会を増やそう
子どもとの触れ合いが大事だといっても、一日中、抱っこしているのがいいとか、片時も離さずにべったりくっついているのがいいということではありません。それでは、子どもも親もストレスが溜まってしまうでしょう。
着替えのときに背中を少しマッサージしたり、お風呂のときに手で洗ってあげたりなど、ちょっとした触れ合いを増やせばいいのです。
【ポイント2】くすぐり遊びで楽しく触れ合う
「らららぞうきん」や「一本橋」など、子どもは歌いながらこちょこちょくすぐるような遊びが大好きです。子どもがつまらなそうにしているときや、日常の親子遊びの時間に取り入れてみましょう。おもちゃなどが何もないときにもできるので、いくつかバリエーションを知っておくと、いつでも楽しめます。
【ポイント3】ギュッと抱きしめたり、リズミカルに触れ合う
寝かしつけるときや、落ち着いて絵本を読むとき、話をゆっくり聞くときなどは、少し強めにギュッと抱きしめたり、トントンと軽くリズミカルに刺激したりするようなスキンシップがお勧めです。こうすると、セロトニンやオキシトシンが増えて、リラックスしやすくなります。
【スキンシップが苦手な子には】
触れ合いの好みは、子どもによって個人差が大きいのが特徴です。べったりと抱っこされるのが好きな子もいれば、くすぐり遊びのような刺激的な触れ合いが好きな子もいます。触れ合うのが苦手な子も、必ず大丈夫な触れ方があるはずです。子どもの様子を見ながら、好きな触れ合い方を見つけてあげましょう。