子どもを勇気づける とっておきの言葉1

金盛浦子

子どもに愛を伝えることの大切さを忘れていませんか? 愛を注ぎ、自信や希望、喜び、安心感を与える大事な言葉。金盛浦子先生の『子どもを勇気づける とっておきの言葉』は、子どもが明るくのびのび育ち、子育てに勇気がわく一冊です。

※本稿は金盛浦子著『【新装版】子どもを勇気づける とっておきの言葉』から一部抜粋・編集したものです

金盛浦子(東京心理教育研究所所長)
1937年生まれ。心理カウンセラー。小学校教諭を務めた後、大学病院などで心理臨床経験を積み、’78年に東京心理教育研究所を開設。’90年より自遊空間SEPYを主宰。著書に、『伸びる子の9割は、「親の口グセ」で決まる』(PHP研究所)など多数。

耳を傾けることも愛情

「いつでも自分の気持ちをしっかり伝えられるね」

子どもは、小さければ小さいほど、自分の気持ちや考えを十分に伝えるだけの言葉をもってはいません。けれど、よーく耳を傾けていればわかりますね。この子が、このときに伝えたいと思っていること、ちゃんと聞き取れますね。

不十分な表現ではあるけれど、ゆったりと耳を傾けてくみ取ってあげられる。それも愛情というものです。とても大事な、せめてお母さんだけは忘れずにそそぎ続けてほしい愛情です。

「あなたはえらいね。ちゃんと自分の気持ちや考えを伝えられるね」

そう力づけられる子どもの心は喜びと自信でふくらみます。そして次には、もっと上手に適切に伝えられるようになりたいと願います。次にもほめられた子は、その次にはもっとしっかり伝えられる自分になろうとします。

あなたのいってることはわけがわからない。ダメね。いつもそんな叱責を受ける子は、自信を失い、表現することに恐れを感じるようになってしまいます。

コミュニケーションの豊かさは、伝え合う内容にあるわけではありません。お互いにくみ取り合おうとする心、耳を傾け合う心の行き交いこそが、豊かなコミュニケーションそのものですね。

言葉は不十分であるとしても、ゆっくり耳を傾けてあげてください。その子は、あなたの言葉にも、ほかの誰の言葉に対しても、ゆっくり耳を傾ける人に育ちます。

【新装版】子どもを勇気づける とっておきの言葉(PHP研究所)
強く優しい心をはぐくむためには、親がどんな言葉をかけるかが、非常に重要になります。子どもが明るくのびのび育ち、子育てに勇気がわく一冊です。