子どもの自立を奪う「親のNG行動」

竹内エリカ

親がやりがちなNG行動

子どものためによかれと思ってやっていることが、逆に子どもの成長を妨げてしまう場合があります。その代表例を5つ挙げてみました。「やってしまっているかも…」 そう気づいたときから、子どもへの接し方は変わっていきます。

NG1:完璧をめざす

教育熱心なお母さんほど、「きちんとした子に育てなくちゃ」という思いが強くなり、働いているお母さんも、「子育ての手を抜かないように」と考えがちです。でもそうやって完璧をめざそうとすると「できないこと」が次々に出てきて、フラストレーションがたまる一方。

イライラして子どもに当たったり、自分がやったほうが早いからと、子どもの「体験する」機会を奪いかねません。子育ては、「こうしなくちゃ」と考えていることの30%くらいでちょうどいい、というのが私の実感です。

テキストタイプ、ネガティブタイプの子のお母さんが、特に陥りやすい傾向にあります。

NG2:一般論にとらわれる

読み聞かせなど、「◯◯は子育てにいい」と言われること、いろいろありますね。でも、仕事や家事で疲れているのに「絶対に絵本を読まなくちゃ!」と無理をしていませんか?子育てで大切なのは、子どもと触れ合いながら心を通わすこと。

1日10分間でも子どもと100%向き合えたなら、子どもはあなたの愛情を感じ取ります。「自分は愛されている」「お母さんは最大の味方」という自信があれば、子どもは失敗を恐れず、自分の力で何でも挑戦するようになるのです。

エンジェルタイプ、テキストタイプの子のお母さんが、特に陥りやすい傾向にあります。

NG3:他の子とくらべてしまう

他の子とくらべて「歩くのが遅い」「言葉がなかなか出ない」ことなどに不安を感じて、「自分の育て方が悪いせいかしら」と自分を責めていませんか? 挙句に「◯◯ちゃんはできるのに、どうしてあなたはできないの!」と、子どもを叱ったり。

子どもは、5つのタイプそれぞれ成長の仕方に特徴があります。それは、子どもの「個性」であって、あなたのせいではありません。子どもを萎縮させないためにも、まずはわが子の個性を受け止め、「私はこの子にとって、最高のお母さん」と自信を持ちましょう。

エンジェルタイプ、デリケートタイプの子のお母さんが、特に陥りやすい傾向にあります。

NG4:「しつけ」と「おどし」を混同する

「◯◯しないと、△△してあげない」「□□しないなら、するからね」という言葉、つい使っていませんか? できないことをできるようにしつけたい、との思いからかもしれませんが、子どもにとっては、それは条件付きの「おどし」です。おどしは、一時的には効きます。

でも、長期的に見ると、常にお母さんの顔色をうかがって行動するようになり、何がいいのか悪いのか、自分で考えなくなってしまいます。自発的に行動できる子に育てたいなら、「おどし」の言葉は禁物です。

アクティブタイプ、ネガティブタイプの子のお母さんが、特に陥りやすい傾向にあります。

NG5:「ごほうび」でつる

「アメとムチ」という言葉がありますが、前項の「おどし」がムチなら、「ごほうび」はアメです。一見、ごほうびを与えることは効果があるように思いますが、デメリットは「おどし」と同じ。

子どもは「アメをもらわないと行動しない子」「(アメがなくなったら)意欲が続かない子」になってしまいます。自分で考えて行動し、最後までがんばれる子にしたいなら、ごほうびでつるのはやめましょう。ごほうびをあげたいときは、「大好きよ」と言ってぎゅっと抱きしめてください。

エンジェルタイプ、テキストタイプの子のお母さんが、特に陥りやすい傾向にあります。