10歳からの勉強で成績を伸ばすには
すぐれた「外の師匠」がモチベーションに
私はよく、思春期には「外の師匠」が必要だという話をしますが、これは勉強面にも言えます。
学校や塾で、勉強の本質的な面白さを上手に教えてくれる、いわゆる「筋のいい」先生と出会えると、子どもはその先生を尊敬し、その教科が好きになります。教え方のうまい先生は、思春期以降の勉強の大きなモチベーションになるのです。
低学年のときは、面白い先生、親しみやすい先生に人気が集まりますが、小5ぐらいになり、大人を見る目がシビアになってくると、子どもは実力のある先生のみを敬うようになります。
一方、きれいごとを言っているだけの先生には耳も貸さなくなります。未熟な自分を棚に上げ、大人をなめ始める。しかし尊敬できると判断した先生は、たとえ怖くても崇めるのが、この時期の子どもたちなのです。
安心してわが子の勉強を見てもらえるような、よき「外の師匠」が見つかれば幸いです。見つかった場合は、お母さんはそれ以降、できるだけ子どもの勉強に介入しないようにしましょう。
思春期以降の子どもは親を遠ざけようとするものですが、受験勉強のサポートのために、いつまでも子離れしないお母さんは多いのです。すると子どものほうも、「ママ、あのプリントどうしたっけ?」という感じで、いつまでも親がかりの依存状態を続けてしまいます。
特に男の子がこうなりがちなので、中学受験を考えている男の子のお母さんは、くれぐれも注意してください。
子育ては、10歳が分かれ目。(PHP文庫)
「10歳からの子育て」こそ、子どもと親子の将来を左右する! 男女の違い、父母の役割り分担、子離れの仕方を説く、子育て本の決定版。