遊ぶほど「本物の学力」が育つ3つの理由

高濱正伸

【理由2】やり遂げることの喜びを知る――「勉強への意欲」がわく

「今日は、砂場で大きなお山にトンネルを作るぞ」と、子どもが夢中になって遊んでいる姿をよく見かけます。お母さんが「そろそろ帰ろうよ」と声をかけても、「いやだ。これを完成させるまでは帰らないよ」と必死です。

自分の決めたことをやり遂げる喜びは、子どもの心に気持ちよい体験となって残るものです。ちょっと上に向かって挑戦することの面白さを知ると、「あのワクワク感を、また味わいたい」と新しい目標を自分で探し、次々とクリアしていく子どもに育ちます。「自分で決めたから面白い」といった自信を持つこともできます。

また、自分がやりたいと思って行なうときに、脳は発達します。子どもが本気になってやることと言えば、遊びです。いろいろな遊びに挑戦する過程で、集中力や粘り強く取り組む姿勢も身につきます。

遊びと学力は地続きです。幼児期に最後までやり遂げる心地よさを知ると、勉強に関しても、意欲的に取り組めるようになります。

【理由3】仲間と楽しむ社会性が身につく――「創造力」「問題解決力」が育つ

あるとき、子どもたちがサッカーをしている様子を見ていると、片方のチームがどんどん得点を入れ、5対0と点差が開いてしまいました。すると、途中で子どもたちが集まって相談をし、弱いチームの人数を増やしてプレーを再開したのです。

子どもは面白くない遊びはすぐにやめてしまいます。みんなで相談しながら、ルールを変えて面白くしていくのです。これは子どもが持っている本能であり、人生を楽しく豊かにしていくエネルギーです。

特に、自然の中で、異年齢の子ども同士で遊んでいると、ストーリーが決まっているゲームとは違って、いろいろな状況が生まれてきます。雨が降ってきた、年下の子がつまらなそうにしている…、自分はどうしたらいいだろうか?

そういった経験を重ねる中で、自分だけではなく、仲間とともに楽しむ社会性も育っていきます。さらに、問題を解決して、自分で創造しながら、道を切り開いていく力がついていくのです。