わるいガマンをさせてない? 子どもにガマンを教えるコツ
わるいガマンをさせられていると……
・無気力になる
子どもは自己主張を受け入れられて初めて、ガマンができるようになります。
自分の欲求や思いを聞いてもらえないままガマンを強いられる状態が続くと、子どもは自己主張する意欲がなくなるばかりか、「どうせ聞いてもらえない」と最初からあきらめるようになります。
深刻な場合は、「こうしたい」という自分の意思さえもてなくなります。
・人間関係がうまく築けない
「なぜそうしてはいけないのか」という理由を説明されずに一方的にガマンさせられると、子どもの中に善悪の基準ができません。
そのため自分の行為によって、まわりの状況がどうなるかや、他人がどんな気持ちになるかなどについて、見通しをもったり想像したりすることができなくなり、人間関係がうまく築けなくなります。
・感情がコントロールできなくなる
いつも理不尽にガマンを強いられ、抑圧されていると、子どもの心の中に抑圧感情や不満が蓄積されていきます。
一見大人の言うことを聞くいい子に見えても、いつか、何かをきっかけにその抑圧感情が爆発します。突然キレる、激しく泣きわめく、暴力的になるなど、手のつけられない状態になることもあるのです。
わがままを助長!指示待ちの子に! ダメなガマンのさせ方
大人がかかわり方を間違えると、どんなに「ダメ」と言っても、子どもは言うことを聞かなくなります。少なくとも、次の3つは避けるようにしましょう。
・大人の都合でガマンさせる
あなた自身がイライラしていて、つい何でもかんでも子どもに「ダメ」を連発してしまったり、人から立派なお母さんに見られたくて、いつもは許していることも人前では「ダメ」と言ってしまったり……。こういう経験はありませんか?
親だって人間ですから、気分のいいとき・悪いときはありますし、大人の事情もあります。でも、「あるときは許すけれど、あるときは許さない」とコロコロ対応が変わると、子どもはそれがいいことなのか、悪いことなのかを理解できません。
もちろん、いつもはダメだけれど「今日は特別OKよ」といったメリハリはあっていいのです。でも、その場合も、「どうして今日は特別OKなのか」、その理由がわからなければ、子どもは混乱するだけです。
・威圧的に「ダメ」とガマンさせる
「子どものためだから」「しつけだから」という大人の思い込みで、有無を言わさず「ダメ」と子どもを制するのは考えものです。また、子どもがやりたがらないことを無理にやらせるのもガマンの押しつけです。
子どもは「なぜやってはいけないのか」、または「やらなければならないのか」という理由を理解していないので、何度も同じ行為を繰り返すでしょう。
そうなると、毎回ガマンさせなくてはならない大人のほうも大変です。気が弱い子だと、「ダメ」と言われ続けることで、いつも大人の顔を見て行動するようになってしまうこともあります。
それともう1つ、よく考えてほしいのは、子どもに説明できるだけの確固たる理由があるかということです。もし理由が思いつかなければ、それは、今はさせる必要のないガマンです。
・人のせいにしてガマンさせる
「あのおじさんに叱られるよ」「先生が〇〇って言ってたよ」など、あなた自身の思いや願いではなく、第三者の目を気にさせて、子どもにガマンをさせることはありませんか?
このような、誰かのせいにしてガマンをさせると、本当にしてはいけないこととして伝わらず、言われなければやっていいということになってしまい、逆効果です。
中には親や先生に叱られるのが嫌でガマンする子もいますが、その子にとっての基準はあくまでも「叱られることの回避」です。
ですから叱る人の前ではいい子でいても、その人たちがいない場面ではやりたい放題となり、自己コントロールができるようにはならないでしょう。