3歳・7歳・10歳で変わる!子どもの能力を育む「聞き方」
親が話を聞くことで、子どもは想像力や自信、考える力などいろいろな能力が伸びます。子どもの成長に合わせて「話をちゃんと聞ける親」になる方法を、河村京子先生に考えていただきました!
※本稿は『PHPのびのび子育て』2017年5月号特集[「聞き方」を変えれば、子どもはグンと伸びる]から一部抜粋・編集したものです。
河村京子(かわむら・きょうこ)
母学アカデミー学長。家庭教師・講師業を経て、2011年、子育てについて共に考え学ぶ「母学アカデミー」を設立。著書に、『東大・京大生を育てた母親が教える つい怒ってしまうときの魔法の言い換え』(イースト・プレス)などがある。
子どもの能力を育むために、お母さんができること
子育ての最終目標は、子どもを社会の中で人との関係が築ける「自立した大人」に育てることです。そのためには、幼少の頃から、子どもの話をちゃんと聞いて、共感し、安心感を与えて、まず親との1対1の絆をつくることが大切なのです。
毎日忙しくしているお母さんが、子どもの話を「ちゃんと聞く」のは簡単ではないでしょう。実際は、聞いているようで聞いていないことのほうが多いのです。ですから話を聞くときは、「よし、聞こう!」と聞くモードにスイッチを入れることが大切なポイントなのです。
子どもが話しかけてきたら、そのたびにスイッチをオンに切り替えて、しっかり耳を傾ける練習を、お母さんはしてください。
「聞く」ことで育つ子どもの能力3
子どもの話を一生懸命聞くだけで、次のような能力が育っていきます。「忙しいのに!」と思ったときこそ、このことを思い出して!
○能力1:自己肯定感
話を否定されないで聞いてもらえることで、子どもは「何を話しても許される」という安心感をもちます。そこから生まれるのが「自分はこのままでいいんだ」という自己肯定感、「自分は大丈夫」「自分はできる」という自分への信頼です。
自分を信じる気持ちは、社会で生きていくときの何よりも大事な拠りどころとなります。
○能力2:コミュニケーション力
社会で活躍するために大切になってくるのは、人と協力し、人を大切にできる力、すなわちコミュニケーション力です。親との1対1の信頼関係ができているからこそ、子どもは外の社会に安心して出ていき、人との関係を築くことができるようになります。
「子どもの話をきちんと聞く」ことは、対人関係を築くうえでの大切な礎を築きます。
○能力3:自分で考える力
自分の言葉で言いたいことを相手に伝えるためには、「何をどう言うか」「どう話したらわかってもらえるか」を考えなくてはなりません。話がたどたどしくても、その間、子どもは脳をいっぱい働かせて考えています。
話を先取りせず、子どもの言葉を待って聞くことは、子どもの考える力を養っていくことにつながるのです。