親子関係と子どもの性格

秦野悦子
2023.03.13 16:44 2023.03.13 16:44

テレビの見方にあらわれる親子の関わり方

真剣な顔の子ども

アメリカの心理学者が行なった「幼児期の子どものテレビ接触に対する親の価値観や態度」という研究で、テレビを見ることに関する幼児期の親の性格・態度を統制型、啓発型、共有型という3つのタイプに分類しました。

統制型とは、見る番組や時間などを、親が決め、主導的にコントロールして、なるべくテレビを見せないというタイプです。啓発型は、テレビを見せることについて教育的観点が強く、学習や教育の一環として位置づけています。

この番組を見て知識が身についたか、学習効果があったかを、テレビ視聴の目的とするタイプです。共有型は、どちらかというと子どもに寄り添いながら、子どもの興味や関心にそって、「面白いねえ」とか「ああ、楽しかったねえ」とか「笑ってるねえ」とか、子どもをフォローしていくようなタイプです。

乳児期、幼児期に共有型の関わりをされた子どもは、児童期に入ったとき、テレビをはじめとしたメディア媒体への接触に関して、ある程度、自己コントロールができるというデータが出ています。

つまり、児童期になっていきなり、「テレビは一日二時間までよ」「テレビばかり見てないで宿題しなさい」などと自己コントロールさせようとしてもむずかしいということです。

メディア媒体への接し方も、幼い時期に、大人が子どもの自発性をうながすように関わっていくことによって促進されるのです。

これは、単にテレビ視聴に限ったことではなく、いろいろな物事についても言えます。親が日常で子どもにどう接したかが、生活の別の場面にも影響するというわけです。

これがいわゆる、「子どもは親がこうさせたいと思うように育つのではなく、親が普段振舞っている行動様式を知らず知らずのうちに身につける」ということなのでしょう。

子どもの気になる性格はお母さん次第でみるみる変わる(PHP研究所)
なぜ、この子はこんなに頑固なの? 素直じゃないの? 飽きっぽいの? など、子どもの気になる性格は、親のとらえ方・接し方次第でグンと変わります。上手な導き方を解説しています。