子どもの受験を考える前に知っておきたい 「中学受験に向いていない親」3つの特徴

中学受験を考え始めるとき、多くの親は「うちの子に向いているか」を真っ先に考えます。しかし実際には、その前に確認しておくべきなのは、親自身が中学受験に向いているかどうかかもしれません。
本記事では、中学受験を始める前に親が自問しておきたい3つのチェック項目を、一貫校教員の谷咲先生の著書よりご紹介します。
※本稿は、谷咲著『中学受験に向いてる子 向いてない子』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。
子どもよりもまずは親が、中学受験に向いているかを確認する

中学受験はたいていの場合、子どもの意思から始まるものではありません。「友達が塾に行き始めたから自分も」と、周囲の環境によって中学受験したい、と言い出す子も一部います。
しかしほとんどの場合が、「公立では不安」「大学受験が心配……」といった保護者の方の判断が先にあるのではないでしょうか。
小学生という発達段階では、将来の見通しを持って行動するのは難しいもの。だからこそ、中学受験には親の意向が強く反映されます。
しかしまず前提として、あなたは親として「中学受験に向いている親」といえるでしょうか。次の問いに答えていただきながら、まずはご自身を客観的に見つめてみてください。
【1】中学受験を通して得たいものが「合格」になっていませんか?

もし今、「中学受験のゴールは〇〇中に合格すること」と目標を掲げているとします。その場合、もし入試本番で本来の実力が発揮できず、第一志望校にご縁がなかったとしたら、お子さんの中学受験は失敗なのでしょうか? 志望校合格を「ゴール」と捉えてしまうと、結果によっては親子ともに長く苦しむことになるような心のダメージを負ってしまいかねません。
だからこそ、「中学受験のプロセスで得られること」に価値を見出せるかがポイントです。これはあるご家庭にとっては「自分で考える力を育てること」、また別のご家庭にとっては「一つのことに打ち込む経験」などのようにそれぞれ異なり、正解はありません。
特に、数字や合否など目に見える結果を重んじるタイプの方は、中学受験を支える親の立場として、その「プロセス」に意味を感じられそうですか?
【2】お子さんがあなたの夢を叶える代理人になっていませんか?

「自分が英語を話せなくて苦労したから、英語ができるようになってほしい」「自分が文系だったから子どもには理系に進んでほしい」といったお考えの親御さんは多くいらっしゃると思います。これは一見正しいとも感じられますが、「お子さんに適性があるかどうか」という最も大切にすべき視点が抜け落ちている場合もあるのではないでしょうか。
また、逆も然りです。「自分が中学受験したから、子どもにも経験させたい」「自分と同じ、あるいはそれ以上のレベルの大学には行ってほしい」という思いをお持ちなのだとしたら、一旦立ち止まって考えてみてください。親の経験や価値観は貴重ですが、それをそのまま子どもの教育に落とし込むべきか、は慎重に見極めましょう。
中学受験は、小学生という年齢で挑む、ある種特殊な経験です。その経験がお子さんの気持ちや強みとマッチしなかった場合、子どもにとっては「やらされている感」を強く感じ、学びが「他人のための努力」になってしまうこともあります。
すると受験を終えた後、「目標を見つけられない」「勉強はもうしたくない」といった、誰も望まない中学・高校生活を送ることになりかねません。「自分は自分、子どもは子ども」という線引きをコントロールすることはできますか?
【3】途中で「受験をやめる」判断をできますか?

中学受験は、始めるよりも「やめる」判断のほうがずっと難しいものです。日々遊びや家族の時間を削りながらの塾通いに、週末は模試の受験。長期休暇では特別講習。中学受験には時間もお金も気力も必要です。その結果、途中でやめたほうがベターな選択肢となり得る場合であっても、「ここまでやってきたのだから、最後までやらなければ」という心理に陥りがちです。
小学生という年齢では、本人の気持ちがついてこないままに続けると、心が先に疲弊してしまい、それが勉強への拒否感や体調悪化の原因となってしまうことがあります。中学受験という「より良い選択肢」として選んだ道が、逆にマイナスに働いてしまうこともあるということです。
中学受験はゴールではなく、あくまで子どもの成長過程の一局面、そして将来ありたい姿を叶えるための手段にすぎません。受験を通じて得たいものが「合格」ではなく「学びへの前向きさ」や「自分で考える力」であるならば、その目的は別の形でも十分に達成できます。
お子さんの心の状態に冷静に目を向け続け、必要ならば「撤退」を見極めることはできますか?
中学受験はそのプロセスを通して得られるものも大きいため、向いている子にとってはポジティブな経験となります。
しかし、問題は親も子どもも「中学受験向きでない」場合。漠然とした不安から受験に踏み切り、嫌々取り組まねばならない状況は、深刻な勉強嫌いやストレスにつながり、ネガティブな経験として植え付けられかねません。
自分を育ててくれ、愛情を持って接してくれる親が「やる」と決めたら、子どもはその判断に従うでしょう。だからこそ親自身が、中学受験に対して、お子さんに対して、そして自分に対して理解を深め、「受験する・しない」を冷静に見極めていただきたいと思います。
谷咲著『中学受験に向いてる子 向いてない子』(Gakken)
私立中学校・高教の両方で教鞭を執った現役の教員だから知っている!
【中学受験「後」の実態】に焦点を当て、中学受験向き・不向き(=高校受験向き)の子の適性を解説。
最善の進路や、受験や将来に向けた最善の対策を指南する。






























