伸びない子はいない!「考える脳」は10歳までに育てよう

林成之

「考える脳」を育む上手なアプローチ

子どもの自主性を育み、受験に強く、自ら考える脳を育てていくために大切にしたい親の関わり方を、5つにまとめました。

・アプローチ1:気持ちがこもった会話を、常に心がける

10歳からは、受験を体験する年代に入るため、記憶力や思考力の前に「判断力」を高めることが大切です。人間の判断は、興味をもち、気持ちのこもった会話をすることによって、判断する脳細胞の活動が強くなります。

ふだんから気持ちをこめた会話を家族全員で行なっていると、子どもの判断力も自然に高まり、頭のいい子どもが育ってきます。

・アプローチ2:目の前の成果や効率にこだわらない

目の前の成果や効率にこだわると、「こうしなさい」「それじゃダメ」「こうするとはやい」などの先出し指示が増え、自ら考えることによって育ってくる思考機能の本質を止めることになります。

また、新しい発想はくり返し考えることで生まれてくるので、「どうしたらもっとよくなる?」など、くり返し考えさせることを大事にしましょう。

・アプローチ3:否定語や人の悪口を言わない

脳は「好き」「できた!」などのポジティブな言葉が多いほど気持ちが緩まないので、思考力や記憶力も高くなります。反対に「できない」「ムリ」「あの人はここがダメ」などの否定語や悪口が多いと気持ちが緩み、集中力も育ってきません。

「おもしろいね」「すごいね」「あの子はここがいいね」など、家庭にポジティブな言葉を増やしていきましょう。

・アプローチ4:「次の目標をもたせる」を習慣にする

何事においても、「ここまでできたからいい」と満足してしまうと、そこで脳は考えることをやめてしまいます。

「がんばったね。次どうしようか?」「目標を決めて全力投球で達成しよう」と言葉をかけて、「ここがまだこうだから、もっとよくなりたい」という気持ちを子どもの中に育み、その先の目標を常に目指せる子にしましょう。

・アプローチ5:子どもの後ろに立って後押しを

6歳までは、親が上手にリードして子どもの興味や好きなことを応援していくことが大切です。7歳以降は、子どもの前に立つのではなく、子どもの後ろに立って「お母さんの子だからできるよ」「次はこういう壁があるけどがんばろう。

お母さんも一緒にがんばるよ」と、子どもがやりたいことを後押ししていくようにしてください。