伸びない子はいない!「考える脳」は10歳までに育てよう
子どもの脳が成長・発達を経て大人の脳とほぼ同じになるのが10歳です。この脳の成長期は「考える脳」の土台をつくる時期。親として大切にしたいこととは、どんなことでしょう。
※本稿は、『PHPのびのび子育て』2016年6月号より、内容の一部を抜粋・編集したものです。
林成之(日本大学大学院総合科学研究科名誉教授)
日本大学医学部、同大学院医学研究科博士課程修了後、マイアミ大学医学部脳神経外科、同大学救命救急センターに留学。日本大学医学部付属板橋病院救命救急センター部長に就任後、救急患者の治療に取り組み、数々の画期的な治療法を開発して大きな成果をあげる。なかでも多くの脳死寸前の患者の生命を救った脳低温療法は、世界にその名を知られる大発見となった。
脳の発達変化を理解して「よい脳」を育てよう
子どもの脳は、3歳、7歳、10歳の3つの節目を経て、生まれたての「赤ちゃんの脳」から「学習する子どもの脳」へと変わっていきます。
0〜3歳の脳は、脳神経細胞を爆発的にどんどんと増やしていく段階です。増やした細胞数がピークに達するのが4歳。ここから7歳までは、逆に脳細胞を減らしていくようになります。
これは「残しておくべき細胞」と「そうではない細胞」を選別して、必要でない細胞を間引いていくためです。選別が完了する8〜10歳は、残った神経細胞同士が結びついて神経回路を発達させていく段階です。
この3段階の変化に合わせて「よい脳」になる素質を育ててやることが、子どもなりに思考力や発想力がもてる脳をつくるのです。