他の人の子どもの話を聞くと不安になります

大門昌代

他の人の子どもの話を聞くと、「うちの子は大丈夫だろうか?」「よその子と比べて
劣っているのでは?」と不安に襲われるケースです。他の人の話を聞かなければ、不
安は出てこないのですが、聞くと途端に不安になるのはなぜでしょうか。

※本記事は大門昌代著『あなたはなぜいつも不安になってしまうのか』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです。

【著者紹介】大門昌代(だいもん・まさよ)
カウンセリングサービス所属カウンセラー・神戸メンタルヘルスサービス所属トレーナー。2005年よりカウンセラーとして活動、大阪を中心に東京、名古屋、福岡にてカウンセリング、カウンセラー養成講座、ワークショップを開催。自身の経験をもとにしたわかりやすいレクチャーが支持を得る。カウンセリングや講座、講演では「誰にでもわかりやすく」をテーマに、日常生活に役立つ心理学を目指して活動している。100人規模のグループセラピーをリードするトレーナーとしても活動する実践派である。

【質問】こんな不安、どうしたらいいの?

(画像はイメージです)

私には同年代の子どもを持つ友人がいます。その友人から、彼女の子どもが通ってい
る学校の話や、子どもの普段の様子を聞くと、「うちの子は、彼女の子どもに比べる
と、勉強の進度が遅れているのではないだろうか?」「うちの子は、彼女の子どもに
比べると、のんびりしすぎているのではないだろうか?」と不安でたまらなくなって
しまいます。

【回答】子どものことを比較して不安になっているとは限らない

比較することで、「うちの子は劣っている」と感じてしまって不安になることがあり
ますが、人はそれぞれなので、他人と比較することに意味はありません。

子どもは、親にとってとても身近な存在です。特に母親と娘、父親と息子のように同
性の場合は、自分自身を子どもに投影してしまうことが少なくありません。

たとえば、このケースの場合、自分自身がその友人よりも劣っていると感じているの
だとしたら、その自分を子どもに投影し、友人の子どもより自分の子どもが劣ってい
るように感じてしまうということが起こります。

自分自身が友人よりも劣っているという思いを投影した結果、そう感じるので、友人
が登場しない場面では、不安には襲われないのです。

他の親が登場しない場面では、子どもに関して不安に感じることはなく、他の親が登
場する場面でだけ、不安に感じるようであれば、子ども同士を比較して不安になって
いるわけではなく、自分自身を他の親と比較して不安になっているという可能性が高
いのです。


『あなたはなぜいつも不安になってしまうのか』(PHP研究所)
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ひもといて、モヤモヤから解放されましょう。