毒親の多くに自覚症状なし! あなたは大丈夫?
毒親の特徴として、「自覚がないこと」が挙げられます。あなたは自分の価値観を子どもに押しつけていませんか? 不登校専門の訪問カウンセラーの水野達朗氏が、毒親の特徴について解説します。
※本稿は水野達朗著『子どもには、どんどん失敗させなさい』(PHP研究所)から一部抜粋・編集したものです。
水野達朗(家庭教育アドバイザー、不登校復学支援専門のカウンセラー)
不登校専門の訪問カウンセラーとして多くの不登校の子どもたちと関わり復学へと導く。不登校の解決法として家族内コミュニケーションの在り方に着目し、水野式の家庭教育メソッドである「PCM(=ParentsCounselingMind)」を構築。家族と子どもの自立を第一に考え、全国の親と子をサポート。
毒になる親、薬になる親
子どもを不幸にする親のことを、毒親なんていう呼び方をします。
毒親は育児放棄だけではなく、子どもを支配し、自分の価値観を押し付ける親のことも含めて意味します。
毒親に育てられた子は、自分で意思決定ができず、無意識のうちに親が気に入る行動を選択します。大人になっても親がつくった価値観でしか、良い・悪いの判断ができず、精神的自立が果たせていないケースが問題視されています。
親の精神的支配から抜け出せていないまま、自らも毒親になるという負の連鎖も指摘されています。自分も抑圧的で支配的な親のもとで育ってきたので、自由奔放にふるまうわが子の行動にガマンができないのです。
その結果、過干渉な親になってしまいます。皆さんはいかがですか。
毒親のひとつの特徴として、自分は毒親ではないと思っていることです。
つまり自覚症状がないのです。むしろ、自分は正しい子育てをしているとすら思っている人もいます。子どもが失敗しないように、何でもかんでも手出し口出しすることが親としての役割だと思い込んでいます。
子どもの恋愛にもああだこうだと口を出しがち。「子どものことは私が一番よくわかっています。子どもを幸せにするために私はこんなにがんばっています」といいます。
しかし結果的に子どもは自立できず、親への依存を高めていく場合もありますし、逆に親への強烈な反発を見せる場合も少なくありません。
あなたは、そんな毒親になっていませんか。
まず自覚する。そして自立を育む子育てを学び、日々の子育てを見つめなおす。これが解毒の最短コースです。
しかし、主観的になりがちなのが子育ての特徴。子育てというジャンルにおいて、主体者である親が自分の子育てを客観視するというのは難しいものです。
だからこそ、自覚症状がなく「愛情の名のもとに子の幸せとは真逆のことをする」ともいえるかもしれません。「お前のためにいってやっているんだぞ」と。そういいながら子どもの経験を奪っていっていることに気づかないのです。
子どもの人生は子どものものです。未来を生きる彼・彼女たちが自分の価値観を形成して生きていけるためのサポートをして、いつかどこかのタイミングで、その手を離さないといけないステージが訪れるのです。子どもの巣立ちを精神的に拒否し、ずっと親の価値観で子どもを支配し続けるのが毒親だと私は思っています。
毒は消せるもの。ドラクエの魔法にも”キアリー”という解毒の効果をもつ魔法があります。低レベルの段階で覚える魔法でMP消費も少ない簡単な魔法なのです。
いま一度ご自身の子育てを振り返ってみましょう。
子どもには、どんどん失敗させなさい(PHP研究所)
わが子が、たくましく、希望に向かって進んでいくために親がすべきことを、家庭教育現場の事例や心理学、そしてイラストを使ってわかりやすく紹介。がんじがらめの古い子育てから抜け出し、楽しめる子育てにアップデートしませんか。