子どもの自立を邪魔する「親の依存」

大門昌代

子どもの言動によって、親の気分が変化するようですと、たとえ経済的な面倒をすべて親がみているとしても、心の部分では、親は子どもに依存していると言えるのかもしれません。

自立とは、自分の面倒を自分でみることができることでもあります。それは、自分の気分をよくすることや、自分が幸せに生きることに自分で責任をとることができるということです。

子どもと親の両方が”依存”になってしまうと、「共依存」という状態になってしまいます。

子どもは面倒ばかり起こし、その間題を親が解決する。そんな関係性です。

子どもは、面倒を起こしても受け入れられ、そばにいてもらえることで、「自分は親に受け入れられているのだ」ということを感じようとし、親は子どもの面倒事を解決することで、「私がいないとこの子はやっていけないのよ」と、自分の存在価値を得ようとします。

これは両者ともが、自分の存在価値を得るのに、相手に依存しているのです。

子どもが、自分の思いどおりになってくれないことで、すべてのことがうまくいかない気分になっていませんか?

自分の人生が、子どもの言動に振り回されすぎているのなら、注意が必要です。

子どもの自立を遅らせるひと言・助けるひと言(PHP研究所)
何気ない言葉の中に、実は子どもの自立を望んでいないという本心が潜んでいます。本書はその真実に気づき、行動を変えることで親離れ・子離れがうまくいくようになる1冊です。