「言わなくてもできる子」になる!年齢別の上手な伝え方

大日向雅美

・”ブレーキ”をかけすぎない

子どもは3歳くらいから、確固とした自分の世界をもち、「このオモチャで遊びたい!」「あの山に登りたい!」など、興味のあることに対して”アクセル”を踏み始めます。しかし、”ブレーキ”の存在にはまだ気づきません。

親は子どもの成長に合わせ”暴走”しないように見守りながら、”ブレーキ”のかけ方を少しずつ教えていくことが必要なのです。ただ、「言うことを聞かせよう」と”ブレーキ”をかけ過ぎると、自ら”アクセル”を踏もうとしなくなり、その子らしさが失われてしまいます。

子どもの年齢や発達に合わせた適切な関わりや言葉がけを心がけ、”アクセル”と”ブレーキ”をバランスよく使えるように導いていきましょう。

・ルールをつくり過ぎないようにしましょう

「おやつは4時を過ぎたら食べさせない」「出かける前にオモチャは必ず片づけさせる」など、ルールをつくり過ぎてしまうと要求が高くなり、叱るばかりになって子どもが萎縮してしまいます。

家庭では、「食事は一緒に食べる」「夜は9時に寝る」など、衣食住に関する基本ルールがいくつかあれば、それでよいのです。指示ばかりでなく子どもが自らやろうとしたことを認め、ほめることを心がけましょう。

「言わなくてもできる子」にするための年齢別の関わり方

“子どもファースト”が大前提ですが、時と場合に応じて”親の都合”で言うことを聞かせてもいいのです。そこに罪悪感をもち過ぎる必要はありません。

言わなくてもできる子にするために大切なこと。それは、日常のさまざまな場面で、「この子に今、どうさせることが必要なのか」を考えながら、常に”子どもファースト”で言葉をかけ、関わることです。

しかし、親だって人間です。「これから訪れる親戚のお宅はしつけに厳しいから、なるべく騒がないように子どもに言い聞かせよう」など、時と場合に応じて”親の都合”で言葉をかけ、言うことを聞かせても問題ありません。

・成長とともに子どもなりに理解していく

子どもは成長していく過程で、少しずつ周りが見えるようになっていきます。親の様子や言葉から、「お母さんは、親戚のおじちゃんのうちに行くときは緊張するんだな」などと子どもなりに理解し、場面に応じたふるまいができるようになっていくものです。

「どうしてうちの子は言うことを聞かないのだろう」と悩む前に、親自身にも自分本位の面があることを自覚した上で、子どもの良い面と悪い面、両方を受けとめていきましょう。

ここからは、3、7、10歳といった年齢別の心の発達を見ながら、子どもとどう関わっていけばいいのかを考えます。