「さくらんぼ計算?」「こんなの習ってない!」 親が知らない今どきの小学生の算数

小杉拓也

今と昔では学校の「学習指導要領」が変わっていることをご存知ですか? 自分が習ったことと現代の子どもの習う内容が微妙に違うことも。それを知らないと、子どもが混乱してしまうかも……

※本記事は、小杉 拓也著『小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる本』 『小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる問題集』(かんき出版) より一部を抜粋編集したものです。

小学1年生が一番つまずく「くり上がり」「くり下がり」計算が簡単に

「塾なんか必要ない。小学生くらいなら家庭で教えられる」と、お子さん、お孫さんの勉強を家庭で見てあげている方も多いかもしれません。

しかし、今と昔では学校の「学習指導要領」が変わっていることをご存知ですか?

つまり、自分が習ったことと現代の子どもの習っている内容が微妙に違う、というパターンがあるのです。それを知らずに、学校とは違う教え方をしてしまうと、子どもを混乱させてしまいかねません。

たとえば、みなさんは、小学1年生の算数で習う「さくらんぼ計算」をご存知でしょうか。

保護者世代では知らないという人も多いかもしれませんが、今の多くの小学生が学校でこの「さくらんぼ計算」を教わっています。

その計算法とはどのようなものか、次の(1)の足し算で解説しましょう。

(1) 8+7=

大人ならごく簡単な計算ですが、慣れない子どもにとっては難しいもの。小学1年生が一番つまずくのが、くり上がりのある足し算(くり下がりのある引き算)なのです。

この式では、まず足す側の整数「7」を2と5のふたつに分けて考えます。足される側の8に2を足すと10というキリのいい数字になり、これに残りの5を足せば15という答えが導き出せるのです。

これが「さくらんぼ計算」です。この考え方を使って、もう一問、(2)を解いてみましょう。

(2) 53+9=

この場合も、「9」を7と2のふたつの整数に分け、53と7を足して60のまとまりを作り、そこに残りの2を足して62という答えを導きます。


このように、足す側の数字から2本の線を引いて〇を設け、そこにふたつの数字を書き入れるとまるでさくらんぼのような形になることから、この名前がついたといわれています。

お子さんがこの「さくらんぼ計算」に慣れてきたら、「さくらんぼを書かずに、頭のなかで考えて解いてみよう」と声をかけてあげてください。