3歳になる頃から、子どもの協調性を育みましょう
2歳半から3歳になるころは、家の中や遊び場でほかの人と協調することを学ぶ時期です。『1・2・3歳 赤ちゃんの心を育てる楽しい五感あそび』(坂本洲子著)は自主性や社会性の芽を育てながら潜在能力を伸ばし、心を育む1冊。
ここでは、生まれてから30カ月から36カ月のお子さんへの接し方のポイントをご紹介します。
※本稿は、坂本洲子著『1・2・3歳 赤ちゃんの心を育てる楽しい五感あそび』(PHP研究所)より、内容の一部を抜粋・編集したものです。
坂本洲子(家族カウンセラー)
日本福祉大学社会福祉学部卒業。養護施設勤務を経て、1985年からヒューマン・ギルドでカウンセリング、研修に従事、その間、シカゴにあるアドラースクールで家族カウンセリングについて学ぶ。帰国後、ヒューマン・ギルド心理室長として後進の指導、講演、カウンセリングを行なう。「21世紀母親研究所」を設立、2006年2月に「ファミリーカウンセリングの母親研究所」と名称変更し、現在に至る。家族カウンセラー、心理療法士、社会教育主事、保育士の資格を持つ。
思い通りにならない体験も
2歳半か3歳になるころには、おしゃべりが増え、行動範囲が広がり、活発な動きをするようになります。お友だちとも会話ができ、一緒に遊べるようにもなってきます。
この年齢で最も必要なことは、家の中や遊び場でほかの人と協調することを学ぶことです。子どもに好きなようにやらせていると、子どもは「いつでも好きにしていいのだ」と思い込んでしまいます。
子どもをしつけるとき、親が子どもの言いなりになるのはよくありません。子どもはどんなに幼くても、家族や社会の中で相互に尊敬し合うことの必要性と、両親は多くの権利を持っているということを学ぶことができます。
カギを握る親の態度
ですから、親が行動と言葉を一致させて毅然とした態度で接していけば、子どもは家庭の秩序を理解し、よりよい生活の仕方を身につけます。子どもが困難に出合ったとき、ゆとりとユーモアのセンスで対応すれば、子どもは穏やかになります。
親がやさしくてはっきりした態度を示せば、子どもは何をしたらよいかがわかります。感情的に子どもを叱ったり、怒りを表す態度を親がとれば、子どもは自信をなくし、協力することを学びません。
家族が協力して暮らすためのルールを決めて生活することは、とても重要なことです。