年齢別!子どもの脳を育てる甘えさせ方

成田奈緒子

子どもの発達を見ながら、「甘え」を上手に受け止めることは、脳をバランスよく育む近道です。

※本稿は、『のびのび子育て』2013年10月号から一部を抜粋し、編集したものです。

成田奈緒子(なりた・なおこ/文教大学教授・小児科医)
神戸大学医学部卒業。米国セントルイス・ワシントン大学医学部へ留学後、筑波大学基礎医学系講師などを経て現職。子どもの脳の発達に合わせた育児論に定評がある。『早起きリズムで脳を育てる』(芽ばえ社)他著書多数。

成長に合わせて「甘えさせる」ほど幸せ脳に育つ!

子どもの脳をバランスよく育てるためには、親をはじめとする周りの大人たちが、脳の成長段階に合わせて刺激を与えることが大事です。

子どもにしっかり「甘えさせる」ことも、脳への大事な刺激です。その年齢に応じた上手な甘えさせ方が、子どもの脳の無限の可能性を伸ばします。

優しさ、自信へとつながる

成長過程で上手に甘えさせてもらった子どもは、自分も周りの人のことも大切に思いやることができます。そして、自分を信じて自ら頑張れる大人になり、社会で活躍することができます。 「脳育ての正しい極意」を学んで、子どもが一生幸せに過ごせる脳を育てましょう。

3つの脳を成長させよう!

子どもの脳は、生まれてから約18年かけて、「からだ脳」「おりこうさん脳」「こころ脳」の順番に育ちます。この順番と働きをよく知って、それぞれの成長時期に応じて上手に脳への刺激を与えましょう。刺激は、日々の生活や大人との関わりから入ります。

(1)からだ脳

脳幹や間脳など、脳の芯にあたる部分の総称で、呼吸、自律神経、睡眠、食欲や情動といった生きるための基本の機能を担います。規則正しい生活からの刺激を受けて、0~5歳頃盛んに育ちます。

(2)おりこうさん脳

大脳皮質、つまり頭脳を司る部分です。言語、手指の微細運動や学習など、高度な機能を担います。大人との会話や遊びから刺激を受けて1歳頃から育ち始め、学校での学習で飛躍的に成長します。

(3)こころ脳

「からた脳」と「おりこうさん脳」をつなぎ、前頭葉を働かせるための機能が「こころ脳」。前頭葉は大脳皮質内でも論理思考を初めとする最も高度な機能を担う部分で、うまく用いることで場に即した言動ができ.るようになります。「こころ脳」は「からだ脳」と「おりこうさん脳」がきちんと育った後、10歳以降に完成します。