脳科学的「友だちづくり」の3ステップ

成田奈緒子
2023.03.22 20:07 2023.03.22 20:07

手をつなぐ小学生

幼児期の人間関係は、子どもの脳にどのような影響を及ぼすのでしょうか。また、友だちとうまくやっていける子を育てるために、親は何をすべきなのでしょうか。ここでは、脳科学的な見解を解説します。

※本稿は、『のびのび子育て』2019年5月号から一部を抜粋し、編集したものです。

成田奈緒子(なりた・なおこ/文教大学教授・小児科医)
神戸大学医学部卒業。米国セントルイス・ワシントン大学医学部へ留学後、筑波大学基礎医学系講師などを経て現職。子どもの脳の発達に合わせた育児論に定評がある。『早起きリズムで脳を育てる』(芽ばえ社)他著書多数。

脳は人間関係の中で育まれる

脳が育つには、刺激が必要です。生まれてすぐは、家庭で同じ人に繰り返しお世話をしてもらいながら生活を積み重ねることが、子どもにとって脳を育てる一番大事な刺激です。

1~3歳前後になると、多くの子どもにとって初めての集団生活が始まります。たくさんの人と関わることで、脳に入る刺激の量は急激に増加します。

大人から見ると「正しくない」行動や言動に思えても、それも「脳が育つ過程で起こる自然なこと」と解釈すれば、驚いたり心配になったりする必要はありません。幼児期は、できるだけたくさんの「人間経験」を積ませることが一番大事なのです。

何が違う? 友だちとうまくできる子、できない子

小学生

・友だちとうまくできる子の脳

幼児期に「友だちとうまくできる」脳が完成することはあり得ません。脳の発達の順番から言えば、10歳以降になってやっと獲得する高度な前頭葉の機能だからです。

大人はそのことを知り、「今はうまくできなくてあたりまえ」と子どものありのままを認め、過度な期待は控えましょう。大人に認められて安心すれば子どもの脳はぐんぐん発達するので、将来「友だちとうまくできる」脳になりやすいのです。

・友だちとうまくできない子の脳

人間関係を初体験する幼児が友だちと関わるさまを見ていると、歯がゆいあまりに、つい口を出してしまいがちです。しかし、大人からのたび重なる否定は、子どもに恐怖や不安の感情を引き起こします。

未発達の脳は、この恐怖や不安をしばしば暴言や暴力として表現するため、どんどん「友だちとうまくできない」状態をつくってしまいます。まずは大人が「幼児期はこんなもの」とおおらかに見守りましょう。