脳科学的「友だちづくり」の3ステップ

成田奈緒子
2023.03.22 20:07 2023.03.22 20:07

【3】「話す力」を育てる

ママの話を聞く子

良い人間関係をつくるためには、どんな言葉を選んで話すかが重要です。

脳が支配する思考と話し言葉には密接な関係がありますので、一般的には、ネガティブよりはポジティブな考えをもてる人のほうが、相手にもポジティブな話ができ、それによって良い人間関係もつくりやすいものです。

大人が意識して、幼児期からポジティブな言葉が出せる脳を育てていくことで「友だちとうまくできる」脳をつくりましょう。まわりの大人からかけられる言葉は、子どもの考え方の傾向をポジティブにもネガティブにも左右します。

たとえば、遊んでいたおもちゃが壊れて直らなくなったとしましょう。大人に、「ダメじゃない! あなたが乱暴に扱うからよ!」と頭ごなしに叱られてしまうと、子どもには「安心」の反対である「不安」や「恐怖」が生じます。

そして、なんとか不安や恐怖を打破しようと、本能的に口から出る言葉は「ママのバカ!」「やだやだ!」といったネガティブな単語になります。

一方、大人が笑顔で「大丈夫。とれちゃったタイヤでおはじきができるよ」というふうに、その状況をなんとかポジティブに転換して伝えるようにすると、たとえ困った状況に陥っても自力でポジティブに転換する機能が子どもの脳につくられていきます。

そうすると、「今日、○○君が一緒に遊ばないって言ったんだ。でも、大丈夫。△△君たちに遊ぼうって言ってみたら交ぜてくれて、初めて△△君と遊んだら、とっても楽しかったよ」と話せるようになるのです。