子どもが「やる気」になる最高の言葉
親の言葉がけ次第で子どものやる気は伸びるもの。間違いや失敗もそのまま受けとめ、一緒に感動することからはじめましょう。好奇心の芽を摘んでしまっていませんか?
※本記事は、『PHPのびのび子育て』2012年2月号より、一部を抜粋編集したものです。
河井英子(武蔵丘短期大学教授)
東京都内の教育委員会教育相談室で長年相談員を務め、現職。子どもの心をテーマにした健康の心理学、発達と学習の心理学が専門。
「やる気の土台」を築く3つの心得
親の言葉がけ次第で子どものやる気は伸びるもの。間違いや失敗もそのまま受けとめ、一緒に感動することからはじめましょう。
生まれながらにやる気のない子はいません。本来子どもは好奇心の塊です。それなのに、成長するにつれて無気力な子に変わってしまうことがあるのは、幼児期の親のかかわり方に原因があるのではないでしょうか。親は、子どもが本来もっているやる気や好奇心をはぐくむ接し方を考えたいものです。
この時期の子どもは、いろいろなことに興味を持ち、何でも知りたがり試してみたがるものです。それは時に、大人も考えつかないようなとっぴなことやおかしなこと、また、間違ったことや危ないことかもしれません。
しかし、それを頭ごなしに否定することは避けたいものです。子どもの気持ちを受け入れながら、親も一緒に子どもの興味に関心をもってください。子どもと一緒に感動してください。それは、子どもにとって大きな喜びになり、ますます自信ややる気を高めることに繋がります。
【心得1】多くを与えすぎない
まず、やる気の土台を作るには、あたりまえのことではありますが、子どもに「やろう」とする気持ちを持たせることが大切です。そのためには、あまり多くを与えすぎないこと。
子どものために、親としてはよりよい、豊かな環境を整えたいと思います。しかし、親から与えられすぎた子どもは、自分から何かを求めようとする気持ちが薄れてしまいます。与えられたことで満足し、黙って口をあけて待っているようなことになってしまうのです。
現代は、一般に飽食の時代と呼ばれ、若者たちにハングリー精神が足りないなどと言われています。そうならないために親としては、子どもに与えすぎないように自制する必要があります。
それは何も、物質的なことに限りません。ゆったりとしたゆとりのある時間、時には”退屈な”時間を経験させることによって子どもの主体的な活動を促していくことも必要でしょう。
指示や命令もしすぎないこと。言われなければ何もしない”指示待ち人間”にならないために心がけたいことです。