子どもが「やる気」になる最高の言葉

河井英子
2023.03.29 13:33 2023.03.23 16:08

【心得2】「子どもの冒険」を制限しすぎない

笑う子

かわいいわが子に、あえて失敗やつらい経験をさせようと思う親はいないでしょう。むしろ、親としての経験や大人としての配慮から、”転ばぬ先の杖”を出してしまうことがあるのではないでしょうか。

しかし、先回りした注意や、危険を避ける配慮もほどほどにしなくてはなりません。子どもはたいていスリルや冒険を好むものです。親の望む安全なことばかりをしたがるものではありません。

こんな例があります。はさみを使ってものを切ることに興味を覚えはじめた子どもが、刃物は危ないからと取り上げられ、また、高いところから飛び降りるのは、けがをすると困ると禁止されました。後になってこの子どもは、「臆病で何もうまくできない」と親や教師から言われ続けるようになりました。

冒険の結果、失敗してしまったときに「注意したのに聞かないから」というような批判的な言葉は控えたいものです。「もう一度がんばってごらん」「もう少しでできるよ」などの励ましの声かけが、子どもにやる気を起こさせることになります。

【心得3】子どもの成功をともに喜び、おおいにほめる

抱き合う親子

「いくらやっても効果の見えないこと」には、誰もがやる気を失うものです。子どもにとっては、がんばった結果としての〝成果〟が必要で、行動心理学的に言えば、それはごほうびをもらうことです。ごほうびをもらう喜びを体験することが、子どものやる気を高める一番の薬でしょう。

しかし、それは物質的なごほうびだけを指してはいません。「やった!」というような達成感、または、「わかった!」というような発見の喜びを得られたら最高です。

このように探究心を持たせ、その喜びを与えることを内発的動機付けなどと呼んで、子どものやる気をはぐくむ原動力とも言われています。

子どもが何かに挑戦し、成功したら、親は多少オーバーであっても惜しみなく喜びを共有したいものです。親から認められたり、ほめられたりすることは子どもにとってかけがえのない喜びをもたらし、ますますやる気を高めていく力となるのです。