子どもの「別に」に隠された本心は? 気になる子どもの変化を見逃さない

河井英子

親子関係の変化に気づいていますか?

「今までお姉ちゃんらしく一人で何でもできていたのに、最近、なんだかべたべた甘えて赤ちゃん返りをしたようだわ」などということはありませんか。

また、一人になることができず、いつもお母さんのそばから離れないなどということはありませんか。お母さんが忙しく、こんなときほどお姉ちゃんにはしっかりしてほしいと思っているのに、どうしてしまったのでしょう。

こんなふうに、お母さんへの甘えという点に関しても、子どもの態度はときどき変化します。行動の変化の底にある子どもの心の変化について、親はしっかり理解していきたいものです。甘えん坊で困るというのでなく、なぜ甘えたいかということを理解するのです。

子どもは、親が忙しくて手をかけられないようなときに限って、手をかけさせるような振舞いをします。手をかけられないという状況によって、親から拒否されたように感じているのかもしれません。親の心を敏感に感じとっているのでしょう。

また逆に、今まで何でも「お母さん、お母さん」と甘えていたのに、最近になってお母さんから離れようとする態度を示すことはありませんか。それはどんなときでしょうか。気をつけてみてみると、外でお友だちに会ったときとか、お友だちが遊びに来ているときなどに顕著のようです。

お友だちの前で、甘えんぼうの自分の姿を見せたくないのでしょう。自分が人からどう見られているかということに、気づき始めたのです。これは大きな成長の節目といってもいいでしょう。「どうしてそんなことするの?」などと責めるなんて、もってのほかというものです。

子どもは、そのときどきにさまざまな姿を見せてくれます。それは、つまずいたり立ち止まったりという停滞の姿であったり、成長による飛躍であったりします。なぜそんな態度をとるのか、子どもの心の変化を感じ取らなければなりません。

子どもの心を”荒らす親”・”整える親”(PHP研究所)
子どもが荒れる原因を探ることは、子どもを取り巻く環境や、発達の正しい筋道を改めて見直してみることかもしれません。わが子を荒れた子にしないために、やってはいけない「叱り方・ほめ方・接し方」を紹介します。子どもの発達に合わせて適切な子育てをすれば、子どもの心は自然と整います。