幼児期が大切!「聞く力」で伸びる 7つの能力

河井英子
2023.03.24 11:13 2023.03.23 15:53

幼児期の「聞く力」が、 伸びる子の土台になる

パパと子とママ

「聞く力」を土台にして、子どもの将来に必要な7つの能力が伸びていきます。

【能力1】 落ち着きと集中力、 根気が身につく

今の子どもは多くのものを与えられ、身の回りには、気持ちをとらえて離さないさまざまな強い刺激がたくさんあります。つい1つのことに集中できないで”あれもこれも”、あるいは”これをしながらあれも”という落ち着きのないことになってしまいがちです。

「ながら族」という言葉もありましたね。 「聞く力」を育むことは、そういう周りの雑多な誘惑や雑音に気を散らさず、落ち着いて、物事に集中する力を育てることでもあります。 しっかりと「聞ける子」になれば、集中力がついて、根気が養われていきます。

【能力2】 想像力を育む

最近の子どもは想像力に欠けているとよく言われます。目の前でくり広げられる強い映像や刺激に影響されて、自分の中でしっかりとしたイメージをつくることが妨げられて、情報は十分あふれているのに、かえって想像する力が弱くなっているのです。

「聞く力」が身につくと、相手の言葉に耳を傾けながら、心の中にイメージをつくっていくことができます。場面を思い描き、状況を想像し、相手の気持ちや立場をおしはかるという想像力を豊かに育むのです。

【能力3】 思いやりの心、 共感する心を育む

笑顔の女の子

子どもは、自分の気持ちを受け入れてもらいたい、わかってほしいと思う気持ちのほうが強く、相手を理解しようとすることは、まだ苦手です。

しかし、相手の言葉をしっかり聞くことから、次第に相手を認め、相手の存在を強く意識することができるようになっていきます。「聞くこと」は、相手の立場に立って、相手の心を理解し、相手の気持ちを受け入れることへの第一歩なのです。

したがって、思いやりのある温かい心をもった子どもに育てたいと思うなら、まず小さいころから、しっかりと相手の顔を見て、その言葉に耳を傾け、その言葉を理解するように育てていくことが必要です。それは、言葉からくみ取れる相手の気持ちを理解し、共感する心につながっていきます。

【能力4】 コミュニケーション能力が育つ

人との関係をスムーズにするためには、コミュニケーション能力がとても大事です。それなのに最近の子どもたちは、人との関係をうまく築くことができないのではないか、と言われています。その原因の1つとして、ゲームなどに代表されるようなヴァーチャルな世界に没頭して、現実の世界から離れてしまっていることも指摘されています。

それでは現実の人と関係を築くことがうまくできず、希薄な人間関係になってしまいます。 人間関係の基本である「人の話を聞く」ことにより、コミュニケーション能力も育ちます。