「子どものお金の使い方」に親が口出ししない方が良い理由

奥田健次

おつかいで失敗の意味を教える方法とは

たとえば、まだ無理かなと思っても、おつかいをさせてみます。安全だけは確保し、気づかれないように見守ってあげつつなのですが、ちょっとしたまちがいをしそうになったときに助けに行ってはなりません。まちがえるためにやるんです。

ピーマンとハムを頼んだのに、やっぱり子どもはまちがえて、キュウリとハムを買ってしまいました。そこで、「ピーマンとハムだったでしょ?じゃあ、今日は残念だけどスパゲティはできないね」と、失敗を認めさせるのです。

もちろん、叱ったり皮肉を言ったりしてはいけません。子どもは今日の晩ご飯はスパゲティだと思って楽しみにしていたわけです。ものすごくがっかりするでしょう。

イヤイヤと駄々をこねても、「また今度、チャレンジしようね。今日はトーストとサラダね」ととおします。そして、また次の機会におつかいをさせ、成功経験を積ませてあげればいいのです。

『コロコロコミック』を楽しみにしている子がいるとしましょう。お金を残しておかないと来月の『コロコロコミック』は買えなくなるのですが、余分にお菓子を買おうとしています。

その様子を見て、多くのお母さんは「無駄遣いしてたら、『コロコロコミック』買えなくなるよ」と警告してしまいます。

でも本当は「このままだと買えなくなる」と気づきながらも、放っておいたらいいのです。そして、やっぱり本当に買えなかったという失敗経験をさせることも大事です。

「買って、買って!」と泣いても、買わない。「きちんと必要なお金を残しておかないと、ほしいものが買えなくなる」と小学3年生で体験しておいたほうが、14歳で気づくよりいいでしょう。

親が失敗経験や成功経験をどうとらえるかで、子どもの成長は大きく変わってくるのです。

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