叱っても素直に謝らない息子~子育て相談室
高橋愛子先生からのアドバイス
ゆっくりと優しい言葉で、気持ちを丁寧に聞きましょう
いたずら好きで明るく活発、人への好奇心もいっぱい。パワフルでかわいらしいお子さんですね。同級生の女の子を叩いてしまったのも、その子に関心があるからでしょう。
好きだからいじわるしてしまうというのは、この年頃の男の子によくあることです。その気持ちをわかってもらえず、先生から注意されたら素直になれないのも当たり前です。
そのうえお父さんから叱られ、お母さんからも「謝りなさい、ありがとうと言いなさい」と厳しく言われているとしたら、この子にとって周りはみんな敵ばかり。反抗的な態度で身を守るしかなくなり、ますます行動がエスカレートするのもうなずけます。
お子さんに何かを習慣づける必要はありません。大切なのは「僕のことをわかってくれている」と思えるようにすること。母親であるあなたが、日頃からお子さんの気持ちをもっと丁寧に聞く習慣をつけましょう。あなたの気持ちを伝えるのはその後です。
「遊びたかったから、からかっちゃったんだね」
「お母さんはしてほしい」と子どもが納得するようにしっかり伝えましょう。頭ごなしに説得ばかりしていると、だんだんあなたの言うことを聞く耳をふさいでしまいます。
まずはゆっくりと優しい言葉で「○○ちゃんと遊びたかったの? だから、からかっちゃったのね。どんな気持ちだったの?」と、言葉で行動をなぞりながら気持ちを聞いてやりましょう。
そして「謝りたくなかったんだね。どうしてかな?」「自分は悪くないと思ってたんだね。なんで謝らなくちゃいけないのかって思ってたんだね」と、1つひとつお母さんが気持ちを拾って、子どもの心の中のドロドロした感情をすくい取ってください。
それから「でもね、叩いたりすると相手の子も嫌だし、嫌われちゃってもったいないと思うよ。あなたはどう思う?」とI(私)メッセージで伝えてください。
このように、あなたが丁寧に気持ちを聞き、あなたの本音もきちんと伝える習慣を重ねていくと、お子さんも素直になって上手にしつかっていくでしょう。
謝る、お礼を言うということを身につけさせたいなら、「あなたの気持ちをちゃんと聞けずに叱ってしまってごめんね」など、お子さんに対してたくさん「ありがとう、ごめんなさい」を口にし、お母さん自らがお手本を示すといいですね。