「算数ができる子」の親の共通点とは
受験だけでなくプログラミングの習得の上などでも重要である算数・数学。子どもが成長する過程でも意味を大きく持つようになっています。算数に興味を持ち、得意になっていく子は親とどんなコミュニケーションをしているのでしょうか?
※本記事はPHP文庫『算数ができる子の親がしていること』(大迫ちあき著)より一部抜粋・編集したものです。
【著者紹介】大迫ちあき(日本数学検定協会認定数学コーチャー&幼児さんすうエグゼクティブインストラクター)
子育てが一段落したあと、大手個別指導塾で中学受験の算数担当講師として10年勤務。多くの学習相談を受ける中で、子どもの勉強に悩むお母さんたちのフォローもしたいという思いから、2011年に独立。東京・恵比寿で未就学児から小学生対象の「幼児さんすうスクールSPICA」、中学生対象の「Total Learning School SPICA」を開講。未就学児対象「算数ワークショップ」も開いている。
これがむずかしい! 第一のポイント「待つ」
多くのご家庭を見てきて気づいたことがあります。算数ができる子をもつ親御さんには共通点があるということです。
どんな共通点かと言うと、まず、1つ目は、「待つ」ということです。
子どもが黙って「うーん」と考えているとき、「固まってないで早くやりなさい」と言ったり、我慢できなくて「ここがこうでしょ」とすぐに手と口を出してしまったりした経験はありませんか?
考え込んでいるとき、子どもは一生懸命、脳を使っています。脳を使って考えているときに話しかけるのは、「考えてはいけません」と言っているのと一緒です。
お子さんに思考力をつけたかったら、
「どうすればいいと思う?」
「どうしてそうなるのかな?」
と問いかけて、しばらく無言で待ってあげましよう。
「待つ」って本当に大変ですよね……。口ぐせというより、無言、ということですから。
でもそうすると、子どもは「ああ、考えるってこういうことなんだ」「頭を一生懸命に使うことなんだ」とわかってきます。
考えている間は親もジッと我慢です。
しばらく様子を見ていて、「これはどこから手をつけていいのかわからないんだな」「どう考えたらいいのかわからないんだな」となったとき、そこで「こういうふうにやってみたら?」「これはこうやったらどうなると思う?」と、導く手助けをしてあげてください。
あくまで、「導く」のですよ。お母さんが「待つ」ことができると、子どもは自分の頭で「考える力」をつけていきます。