「育てにくい子」には「いいところ」がいっぱいある

原坂一郎

育てにくさを感じて……

こんな不安や悩みを、あなたは抱えていませんか。

・将来、大丈夫かしら
・友だちがちゃんとできるかな
・子どもを叱ってばかりで、自分がイヤ
・どうして、他の子とこんなに違うの
・私のしつけ方が悪いのかしら……

こうした思いも、受け止めていきましょう。

困った子、育てにくい子と感じていい

子育てがうまくいくコツを1つあげるとすれば、私は「ありのままを認めること」だと思っています。仮にお子さんが、自分を困らせることばかりする子どもだったとしても、その姿を丸ごと受け止め、認めるのです。

そして、そんな子どものことを「困った子ども」「育てにくい子ども」と思ったなら、その気持ちも認めましょう。子育てがうまくいかない現状も、すべて丸ごと認めてほしいと思います。

笑顔の子育ては認めることから始まる

一番よくないのは、否定をすることです。子育てでなくても、否定をすると出てくるのは不平や不満です。

お子さんのことを否定的な目で見てしまうと、子どもを叱ることばかりが増え、自分もしんどくなってしまいます。でも、認めるとあら不思議。笑顔が出てきます。「笑顔の子育て」とよく言われますが、それは認めることから始まるのです。

認めるのは簡単です。子どもへの見方や視点をほんの少し変えるだけでいいのです。するとすべての景色が大きく変わっていきます。

視点を変える2つの方法

・決して悪気はない。「心のままに動いただけ」と思おう

子どもは「こうしたい」と思ったことを、すぐに実行します。「触りたい」と思ったら触り、「暴れたい」と思ったら暴れます。「笑いたい」と思えば笑うので、子どもはお葬式でも笑います。悪気はないのです。

「でも、ちょっと我慢しよう」という自己統制力が年齢とともに身につきますが、その力は弱い子どもと強い子どもがいます。その違いは、5歳くらいまでは本人の努力よりも、生まれつきのものであることが多いもの。「わが子は弱いほう」と思えば、「1つのことを丁寧に何度でも伝える」ということをやってみましょう。

・夫婦から生まれた、その”個性”を楽しもう

子どもは十人十色。それぞれに個性があります。「じっとしていない」「攻撃性がある」なども立派な個性です。親にすれば幾分困ったものであったとしても、それがどこから来たかといえば、100%パパ・ママからの遺伝です。

個性の”製造元”は親で、子どものその個性を否定すれば自分たちを否定することになります。夫婦から生まれたかわいいわが子のその個性の中に自分を見出し、むしろ楽しむくらいでいると、子どものことを見る目も変わっていきますよ。