キレやすい子を卒業!「感情をコントロールできる子」に育てる3つの方法
キレやすいわが子に必要なサポートは? テレビ番組でもおなじみの澤口俊之先生に、「感情をコントロールできる力」を育てる方法を教えていただきました。
※本記事は、『PHPのびのび子育て』2019年2月号特集「3・7・10歳で変わる! 心が荒れる子・おだやかで強い子」より、一部を抜粋編集したものです。
澤口俊之(脳科学者)
北海道大学卒業、京都大学大学院理学研究科博士課程修了。エール大学医学部研究員、北海道大学医学研究科教授を経て、2006年に人間性脳科学研究所所長に就任。’11年より武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部教授を兼任。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などのテレビ出演、著書多数。
スマホとゲームは要注意!「感情をコントロールできる子」を育てよう
感情をコントロールするのは、脳の「実行機能」です。実行機能とは、感情や思考、行動を状況に応じて適切に制御する能力で、脳の前頭前野がこれを司っています。実行機能がきちんと機能していると、怒りの感情は10秒程度で収まります。
もし前頭前野の働きが妨げられると実行機能もうまく働かず、感情が制御できません。前頭前野の働きを阻害する原因はいくつかありますが、特に子どもの場合は、スマートフォンやテレビゲームが大きく影響することがわかっています。
他に、ストレスも前頭前野の働きを悪くします。子どもにとっては、お母さんの不安やイライラは大きなストレスです。
スマホやテレビゲームを子どもから遠ざけ、お母さんがおおらかな気持ちでいることが大切なのです。
しっかり時間を区切ろう!「規則正しい生活」は脳科学的にとても重要!
感情コントロールの基盤、脳の実行機能を高めるために、効果的な方法があります。
それは「時間制限法」と言って、時間がきたら自分の行動をやめる、という訓練です。食事にしても遊びにしても時間を区切り、終わりの時間が来たら、食べ残しがあろうが食事はおしまい。
遊びの途中でもおしまいにする。そうやって、「やりたいことを、自分でやめる」、つまり自分の行動を制御する力を鍛えていくのです。
「行動の制御」と「感情の制御」は、脳のレベルでは同じなのです。そのため、時間によって行動を制御することを覚えることで、自動的に感情もコントロールできるようになる、というわけです。
この力は、小学校に上がるまでには身につけさせておいたほうがいいでしょう。