キレやすい子を卒業!「感情をコントロールできる子」に育てる3つの方法

澤口俊之
2023.04.04 20:11 2023.03.29 15:27

ケンカも上等!「1人遊びより集団」で遊ばせよう!

もう1つ、感情をコントロールする力を育むのにいいのが、たくさん遊ぶことです。できれば1人遊びではなく、集団の中で遊ばせることが重要です。

たとえば公園で遊ばせると、遊具を取り合ってケンカすることもあるでしょう。その体験がとても重要です。「怒って、相手の子を叩いたらどういうことになるか」「それは自分にとって得なのか損なのか」といったことを知りますし、他人との譲り合いも学ぶことができます。

つまり、集団の中での遊びを通して自然に、自分の感情や行動をコントロールする力が鍛えられるのです。

外に出て、思いきり体を動かしながら遊ぶのが理想ですが、家遊びでも構いません。その場合も複数人数で遊ばせるようにしてください。

日本人は世界中で、とても好奇心旺盛な種族!?

虫眼鏡で観察する男の子たち

子どもはいろいろな行動をします。特に幼いときは、「どうしてこんなことをするの?」と不安になるような行動をするものです。「キレる」も、その1つでしょう。

でも、それらは子どもとしてはあたりまえの行動なので、気にしすぎないことです。親が不安がったりイライラしたりしていると、子どもの心も不安定になり、自分の感情をますます制御できなくなります。

意味なくキレる場合を除いて、キレる(衝動性が高い)のは、好奇心が旺盛なためです。好奇心というのはもともと、自分が置かれた環境や状況に適応するためのものです。

人類はアフリカが起源だという説があります。この説に基づくと、食料や住みやすい場所を求めて、アフリカから遠く離れた日本にたどり着いた私たちの祖先は、きっと好奇心が旺盛で、環境への強い適応力をもっていたのでしょう。

集団の中でもうまくやっていく。ピンチに立たされてもなんとか切り抜ける。これが適応力です。人間は、適応力を身につける過程で知恵がついていくのです。

ですから、意味があってキレている場合、それは知能の発達のために必要な行動の1つですから、おおらかな気持ちで子どもの成長を見守ってあげてください。

一方で、上記でご紹介した方法で、感情を制御する力を高めていく必要があります。すべてのしつけを家庭で行なうのは限界があると思いますので、保育園や幼稚園に助けてもらうのもいいでしょう。その場合、できれば外遊びと箸使いの練習(前頭前野の発達を促します)を積極的に行なっている園がおすすめです。