小学生が塾に入る最適なタイミングとは? 東大野球部員はどうだった?
塾通いの検討は小学5年生からで十分
講演での親御さんとの質疑応答で多いのが、「塾はいつから通わせるといいのでしょう?」というご質問です。
私は、小学5年生くらいの時期での判断で遅くないと思いますし、焦って早く入れることもないと思っています。東大野球部員を見ても、そもそも塾に通ったことがない子どもたちがたくさんいました。
都会では顕著ですが、中学受験を目指すご家庭では、小学1年生くらいから塾通いを始めます。実際に中学受験対策の進学塾では小1からコースがあります。
私自身、塾を経営していたことがあるので、経営者目線で言えば、小1くらいから”囲い込み”がしたいという他塾の方針もよくわかりますが、教育者の目線からすれば小5くらいの時期での検討が妥当だと思います。それには3つの理由があります。
【タイミング1】 脳の成長
脳の成長は、だいたい10歳くらいで止まり始めます。というと、皆さん驚かれると思いますが、あくまで「大きさ」としてです。
脳のシワ・機能はもちろん増えていくのですが、脳にもこうした分岐点があることが、小5あたりを検討のタイミングとする理由です。
それよりも前に詰め込み式のような学習をするくらいなら、伸びやかに五感を刺激する体験を重視するほうがいいのではないかと思います。
【タイミング2】子どもたちの自我
小5を分岐点にする理由は、この時期くらいには、ある程度、自身の状況やできること、やりたいことがわかる時期でもあるからです。
塾選びにしても、幼い頃は「〇〇ちゃんが行っているから、僕も行きたい!」と周囲に左右されがちですが、小5くらいにもなれば、「〇〇学校に行きたいから、塾に行きたい!」と、自分の意見が言えるようになります。
そんな動機なら、継続するモチベーションも期待できますし、自身の決断であれば、周りとしても応援してあげたいものです。
子どもの才能の見極め方のヒント
【タイミング3】才能の見極め
なぜ、小5くらいが塾通いをするかどうかの判断時期かというと、子どもたちの「早熟」か、そうでないかが、判断できるタイミングであるからです。
まるで神童のような小学生時代だったのに伸び悩む子、一方、高校生くらいからグングン伸びていく子については、だいたい小5くらいで見えてくるように思います。
たとえば、数学のセンス、言葉の選び方からの言語センスも、親から見てもこの時期にわかるようになります。また、センスだけでなく、精神的な面でも「この子なら勉強やスポーツで揉まれてもやっていけるな」と判断できる雰囲気が伝わってくるでしょう。
すると、もう少しゆっくりした環境がわが子にとって向いているのか、厳しい環境が合うのかがわかるはずです。
才能の見極め方のヒントのひとつとしては、子どもたちの”反応”を見てみてください。何かの分野を学んだり、教えた際に、「これってどういうこと?」と、追加の疑問や質問がくる分野には才能の芽があります。
自慢をしてくる分野にも見どころがあるでしょう。さらに、大人の意見に「これはちょっと違うんじゃない?」と意見が言えるようなら大合格です。
一方で、親側から質問した際に「う、うん……」と一拍おいて返事したり、逆に「はい、はい」と空返事するような際は、無理をしているか、「勘弁してくれ」のサインでしょう。親は、こうした”間”を敏感にとらえることです。日々、観察していると必ず気づけます。
ともあれ、決して、親の願望で焦って塾を選んだり、ムリした学校などを選ばないことです。大学受験、さらにはもっと先の社会に出たときのわが子の元気な姿を想像して、進路も考えてください。
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