たくましい子になる魔法の3ステップ
子どもの強さを育てるためにトラブルは必要です。がんばったのにうまくいかない、お友だちと仲違いしてしまった…。
こんな場合も、子どもの心の状態にあわせたお母さんの接し方でトラブルを乗り越えてたくましい子に育ちます。ここでは、「たくましい子になる魔法の3ステップ」をご紹介します。
※本稿は、『PHPのびのび子育て』2012年11月号から一部を抜粋し、編集したものです。
宮本まき子(心理カウンセラー)
津田塾大学卒。22年間の電話相談室勤務で子育て・家族・心理・教育問題を担当。その実績を生かして執筆活動に入り、新聞・雑誌への寄稿、講演会などに忙しい日々をおくっている。
【ステップ1】気持ちに寄り添う
トラブル発生のときは大人だって混乱するものです。
でも「ウッソォー!」「ビミョー」「キモい」「ありえない」などの感嘆語ですませないで、「がんばったのに残念だったね」「うまくいかなくて悲しかったね」のように子どもの気持ちに寄り添う言葉をフルセンテンスで伝えましょう。
心模様を言い当ててもらうと「そう、いまその気分なんだ」とホッとして混乱や不安が沈静化するでしょう。
定番のスキンシップですが、ギュッと抱きしめて「大好きよ」と耳元でささやくのもいいですね。
【ステップ2】やる気を刺激する言葉をかける
「ガンバレ!」と言われてもどうがんばればいいのか幼児にはわかりません。あるいは「自分で考えなさい」と突き放すだけでは「知らない、できない」と途方にくれるでしょう。子どものそばに寄り添って、「どうすればいいか一緒に考えようね」と声をかけます。
子どもはこうしようか、ああしようかと時間をかけてあれこれ迷走します。ここで「これが一番いい」と親のほうが決めてしまうと、「次も解決はおまかせ」という「指示待ち族」になってしまうので要注意です。
少しでもできることを探し当て、「君ならきっとできる」と持ちあげましょう。
「本当の心の強さ」とは不安や恐れに負けないで、失敗してもいいからやりとげる小さな勇気のことです。親子だけに通じる「魔法のおまじない」をかけてもいい、スカートのすそをつかんだままでもいいからトラブルから逃げない。「そんなあなたが大好き」だとおおいにアピールしましょう。
【ステップ3】できたときは思いっきりほめる
日本の高校生の3割に自己肯定感がなく、先進国中でもっとも「自尊心が持てない率」が高いとのユニセフ報告があります。
「愚息」「豚児」のように、子どもを卑下して謙遜する文化があるのも事実ですが、できたことをほめるよりできなかったところを指摘してさらなる向上に結びつけたい「親のさもしい魂胆」も原因のようです。
ほめ言葉はケチらず、子どもに満面の笑みが浮かぶまで大サービスしてください。
「すばらしい! 偉いなぁ、やっぱりできたんだ」
「ママ(パパ)の誇りだ、すてきな子がいてくれて最高にうれしい!」
「よくできたね、君ってすごいんだ。感動したよ」
「こんなに喜ばせてくれて、ありがとう!」
もちろん、ニコニコ笑顔と熱狂ハグハグ付きです。もしうまくいかなくても、「君がやりとげようとしたのは立派、誇らしい。次はきっとうまくいくから」とほめて励ましましょう。