たくましい子になる魔法の3ステップ

宮本まき子
2023.04.03 16:02 2023.04.03 15:59

3ステップでトラブルを解決

泣く男の子

では、魔法の3ステップを使ってトラブルを解決した事例をみてみましょう。

ハルナちゃんのお誕生会に呼ばれたタカシくんは、プレゼントのおもちゃを勝手にいじって壊してしまいました。ハルナちゃんは泣き叫んで楽しい会はメチャメチャ。タカシくんは家に駆け戻ってベッドで途方にくれています。

【ステップ1】子どもの気持ちに添う

まず事の経緯を大人の間で確かめましょう。修理や弁償の意志があることも伝え、タカシくんのトラブル体験のために協力してほしいと頼みます。
次は、タカシくんの混乱した心に寄り添いましょう。タカシくんのベッドに一緒に入って肩を抱き、「いつ、どこで、何があったのか?」と順を追って聞きます。

悪意はなかった、壊れてビックリした、泣かれるのはイヤだなどの心の動きを確認して、「もし逆の立場だったらどう思う?」と視点を変えさせます。お母さんがタカシくん役を演じてもいいですね。

【ステップ2】自分で考えさせる言葉かけで

手

タカシくんはハルナちゃんになったつもりでお母さんに話していくうちに、ハルナちゃんの怒りと失くしたものの哀しみに気づきますが、どうすればいいのかわかりません。「僕、おもちゃを直せない」「僕もうハルナちゃんと遊べない」と悩みます。

ここで「弁償するから大丈夫」は禁句、せっかくの学習のチャンスがフイになってしまいます。

「一緒に考えようね。ごめんなさいを今、言いに行く、行かない、どっちにする?」のようにタカシくんに選択させます。「どうすればハルナちゃんを喜ばせられるかしら?」と誘導していき、タカシくんにいろいろ考えさせます。

どんなとっぴなことでも「すごい、きっとうまくいく。ママは信じてるわ」とおおいに支持しましょう。

【ステップ3】トラブル解決! おおいにほめて

言うことを聞かない男の子

タカシくんはリュックに「宝物」の恐竜のフィギュアを詰めてハルナちゃん宅へ。壊したことを謝り、一番大事なおもちゃをあげると申し出ます。ハルナちゃんは3つ選んで残りを返し、冷蔵庫にとり置いていたケーキをごちそうしてくれました。

タカシくんは意気揚揚と帰ってきました。ハルナちゃんのママから電話で一部始終を聞いていても素知らぬふりで「そうだったの。よかったわねぇ。気持ちが通じたなんてすばらしい。あなたはエライ」と、あいづちをうちながら、自力でトラブルを解決したことをおおいにほめましょう。

「次にこんなことがおきないように、どうすればいいのかな?」と、今回学んだことを確認させ、「それがわかっている君は立派よ!」とほめます。