賢い頭脳をつくる!4つのマジックワード
「考える力」がある子どもに
頭脳のOSを優れたものに更新していかないと、新しいソフトは動かないのです。このOSが優れている子のことを「頭がいい子」と言うのです。
OSをバージョンアップする教育をせずに、ソフトのインストールばかりをやっていたら、頭が動くはずがないですね。そこで、このOSを家庭内で、言葉の力でバージョンアップさせようというのが、私が講演会や著書の中で語っていることなのです。
では、このOSのバージョンが新しく、優れている状態とは、どのような状態のことを言うのでしょうか。それは、「考える力」がある状態を言います。この「考える」という言葉が使い古された言葉であるせいか、あたりまえのことのように思えるかもしれませんが、実は多くの子どもたちは考えていません。
そもそも、「考えなさい」とは言われるものの、「考える方法」を教えてもらっていないため、何を言われているかわかっていないのです。
この「考える力」を手に入れると、どのような時代でも、どのような科目でも対応することが可能となり、いわゆる偏差値も上がっていくことがわかっています。
4つのマジックワードで子どもの「考える力」を育てる!
「考える力」を身につけるために、日常会話で次の4つの言葉を使いましょう。2と3などは、まだ少し難しいかもしれませんので、お子さんの成長に応じて、わかりやすい言い方を工夫してみてください。
【1】なぜだろうね?
この言葉は、理由を聞く言葉です。通常、学校教育では、「これは何?」「どこ?」「いつ?」「誰?」「(選択肢問題で)どっち?」と出題するのが基本となっています。これはこれで大切でしょうが、残念ながら考える力は身につきません。これは単に知識のインプットであり、考えるとは言わないのです。
「なぜだろうね?」と言われると、意識がそこに向かい、考えるようになります。この問いには答えがなくても構いません。子どもが「う~ん、わからない」と答えてもいいのです。「う~ん」の部分で考えているからです。何を答えるかという結果ではなく、考えるプロセスが重要なのです。
【2】どうしたらいいだろう?
この言葉によって発想力(クリエイティビティ)が鍛えられます。特に、子どもたちにとって嫌なこと、マイナスな出来事があったときがチャンスです。「では、どうしたらいいだろう?」と問うのです。すると、頭脳が活性化していきます。
【3】ようするに、どういうこと?
この言葉を問うと、人は考えをまとめていきます。この「まとめること」を「抽象化」と言います。抽象化できると、たとえば算数の問題集をやっていても、「この問題とこの問題は、形式が違っているけど、同じタイプ」ということがわかったり、国語でも、「この文とこの文は、字面が違うけど、同じことを言っている」ということがわかるようになります。
この「抽象化」が上手にできる人を「賢い人」というのだと思います。具体的な(表面的な)部分しか見えない人には、すべてがバラバラに異なって見えます。すると、すべてを覚えないといけないような錯覚に陥ります。これが勉強嫌いになってしまう最大の要因です。
【4】たとえば、どういうこと?
子どもが抽象的な話をしてきたときに使います。たとえば、「今日、幼稚園(学校)でうれしいことがあった」と言われたら、「そうなんだ~。たとえば、どんなことがあったの?」と返して、同類の事例を挙げてもらいます。つまり、「抽象」の説明のための事例を自分で引っ張ってくるようになります。「抽象」はわかりにくい表現なので、「具体」が必要なのです。これによって、表現力もついていきます。
おわりに
日常のささいな会話の中でも、ここで述べた4つのマジックワードを使って話すのが、賢い子を育てるコツです。
もちろん勉強を教えるときに使ってもいいのですが、家庭で使用する場合は、勉強以外の日常会話で使ったほうがいいでしょう。
なぜなら、勉強の話となると親子の間で上下関係が発生してしまい、ついつい「○○しなさい」と先に結論を言ってしまいがちだからです。
日常の雑談の中でマジックワードを使うようにすると、自然と頭脳が活発に動くようになります。1週間でもいいので、ぜひ試してみてください。