子どもの「自分で考える力」の育て方

親野智可等

子どもの「考える力」を伸ばすために大切なこと

わが子が、好きなこと、やりたいことを見つけて、自信をもって前に進めるように、今、親としてできることをしましょう。

○「やりたい」と言ったことをたくさんさせる

幼児期には、子ども自身がやりたがることをどんどんやらせることが大切です。絵を描きたい子にはどんどん描かせる。お人形遊びが好きならそれをたっぷりやらせる。自動支払機にカードを入れたがったら入れさせる。

人に迷惑をかけたり危険だったりしない限りにおいて、どんどんやらせましょう。それによってはじめて、「自分は何をやりたいのかを自分で考える力」と「そのやり方を自分で考える力」がつくのです。

確かに「親や先生に言われたことはできる。でも、特に自分がやりたいことはない」という子は育てやすいでしょう。でも、それを優先してしまうと、先の2つの力は身につきません。

実は、「言われたことはできないけれど、自分がやりたいことはどんどんやれる」という、育てにくい子のほうが見込みがあるとも言えるのです。

○子どもが自分に合うものを見つけられるように情報を与える

好きなことをやらせると言っても、幼児期だと何が好きなのかわからないということもよくあります。そこで大切なのは、子どもに向いていそうなものを親が紹介・推薦してあげることです。

「公民館で押し花教室があるよ。ちょっとやってみない?」「本屋さんにこういうのがあったよ。あなたに向いているかも。見に行って気に入ったら買ってこよう」というように。

本人が嫌がることを強制するのはよくないですが、紹介・推薦は必要です。子どもは情報弱者であり、ごく身近にぴったりなものがあっても、自分で見つけることができないからです。

また、「始めたからには2年間は続けなくてはやめ癖がつく」などと思う必要はありません。やって合わなかったら、やめればいいのです。お試しでいろいろやっているうちに、ぴったりなものが見つかります。