学習とスポーツに必要な「心と体の土台」の育て方

親野智可等

幼児期に身につけさせたいこと(1)自己肯定感

「自己肯定感」… 子どもの伸び方に決定的な差をつけるのが、自己肯定感です。

たとえば、授業で先生が「○○の勉強をします」「○○の実験をします」「○○の運動をします」と言ったとき、自己肯定感のある子は「面白そう。自分はできる。やってみたい」と自然に思います。

ですから、積極的に取り組みますし、ちょっとくらい失敗しても「自分はできるはずだ」という思いがあるので、結局は乗り越えられます。

ところが、自己肯定感のない子は、はじめから「どうせ自分には無理」と思ってしまいます。

ですから、意欲もわいてこないわけです。たとえ取り組んだとしても、ちょっと失敗すると「やっぱりダメだ。どうせ自分は何をやってもダメだ」となって、結局乗り越えられなくなります。

このように、自己肯定感があるかないかは、その後の伸び方に決定的な影響を与えます。幼児期の無理な早期教育によっていつも「やらされること」ばかりで、「楽しくない。うまくいかない」経験が多い子は、後者のようになりがちです。

また、幼児期に運動の一斉指導の時間が長くて、「同じ運動の繰り返しで楽しくない」「友だちはできるのに自分はできない」と感じる経験が多い子もそうなりがちです。

幼児期に身につけさせたいこと(2)自己実現力

「自己実現力」…自分でやりたいことを見つけ、主体的に取り組む力が必要です。

現在進められている教育改革で、一番大事な方向性は「主体的に学ぶ子」の育成です。というのも、これからの時代は、人に言われたことだけやる人や、与えられた知識を覚えるだけの人では、もう間に合わないからです。

「自分がやりたいことを、自分で見つけて、主体的に取り組む」「自ら課題を発見して、追究し、新たな価値を創造する」、そういう人を育てる必要性があるのです。

その根底には、”日本の経済が頭打ちなのは、起業できる人が少ないからだ”という認識があります。

私もその考え方は間違っていないと思いますし、さらに言えば、経済面だけでなく、そもそも自分の人生を充実させる上で、仕事でもプライベートでも自分がやりたいことを自分で見つけて主体的に取り組むことは本当に大切です。人間はそのためにこそ生まれてきたのですから。

そして、そういう主体的な人を育てるために大事になってくるのが、3歳からの幼児期の過ごし方です。「自分がやりたいことを、自分で見つけて、主体的に取り組む」経験をしている子、つまり主体的に遊んでいる子が、将来有望なのです。