学習とスポーツに必要な「心と体の土台」の育て方
幼児期に身につけさせたいこと(3)他社信頼感
「他者信頼感」…人を信用し、よい人間関係を築けてこそ、充実した人生を送れます。
学校でも職場でも、他者とよい関係を築くことができる人は幸せです。そういう人は、勉強や運動、仕事でも、楽しく取り組めて自然に成果が上がります。周りと、よい人間関係をつくる上でとても大切になってくるのが、他者を信頼する気持ちです。
他者に対する不信感がある子は、廊下で肩がぶつかっただけで「お前からぶつかってきただろう。けんかを売ってるのか?」となったり、目が合っただけで「いつもにらんでくる。オレのことが嫌いなのか?」と感じたりします。
他者信頼感がある子は、肩がぶつかったときも「ごめんね。大丈夫?」と素直に言えますし、目が合ったときには笑顔を向けることができます。
幼児期の無理な早期教育や一斉運動で、できないときに叱られることが多かったり、過度な競争状態の中で友だちと関わる経験をたくさんしてしまうと、他者信頼感が薄れて他者不信感が育ってしまいます。
その反対に、楽しい遊びの中で、心が解放された状態で友だちとたくさん関わる経験をしている子は、自然に他者信頼感が育つのです。
学童期からの土台づくり 7歳からは「地頭」をよくしよう!
夢中になって楽しく遊ぶ時間こそが、いろいろな能力を高めます。
幼児期の土台の上に積み重ねたいこと、7歳以降の学童期で大切になってくるのが「地頭」をよくすることです。
地頭がよいというのは、コンピューターで言えばCPUの性能が高いということです。具体的には、認識力、理解力、思考力、空間認識力、記憶力、想像力、創造力、語彙力、表現力などの能力を高めることが大事であり、それを可能にするのが、これまた遊びなのです。
脳科学によると、脳にはニューロンという神経細胞があって、ニューロン同士をつないで情報をやり取りするのがシナプスです。シナプスが多ければ多いほど、情報の処理能力が上がって地頭がよくなります。
では、どういうときにシナプスが増えるかというと、本人が楽しいと感じながら頭を使っているときに一番よく増えます。つまり、いやいや問題集をやっているときよりも、自分がやりたいことに夢中になって、わくわくしながら楽しく遊んでいるときのほうが、地頭がよくなっているのです。
地頭のよい子が勉強をすれば、どんどん身について学力が上がり、運動もよく身につきます。