友だちの輪に入らない6歳児…親がしてあげられること

植松紀子

子どもに不要なガマンと必要なガマンとはどんなものなのでしょうか。子どもの年齢別に紹介した『[1~6歳]子どもにさせていいガマン・わるいガマン』を一部転載でご紹介する最終回です。

※本稿は植松紀子著『1~6歳子どもにさせていいガマン・わるいガマン―「ガマンしなさい!」と怒らずにすむ(PHP研究所)から一部抜粋・編集したものです。

植松紀子(植松メンタルヘルス・ルーム主宰)
日本大学心理学科卒業。臨床心理士、日本大学講師。武蔵野赤十字病院こどもの相談室、神奈川県内の児童相談所、「こどもの城」小児保健部を経て、現在「植松メンタルヘルス・ルーム」を主宰。自治体の乳幼児健診にも携わり、多くの母親の悩みを聞いている。二児を育てた経験と5人の孫と過ごす日々、40年間育児相談を受けてきた経験に基づく子育てノウハウには定評がある。

子どもが自然に友だちと遊べる環境を作ってあげる

【場面】6歳児「友だちの輪に入らない」
→お母さん同士がまずは友達になる

6歳くらいになると、もう自然に友だち同士で遊べるようになるのですが、なかなか友だちの輪に入れないという子もいます。そんな様子を見ると、お母さんとしては心配になりますよね。

だからといって、無理やり子どもを友だちのなかに入れようとするのは、やめたほうがいいでしょう。もっと年齢が幼ければ、園の先生が、「○○ちゃんも入れてあげてね」と言いながら、友だちの輪に入れたりすることもあります。

でも、年長さんにもなると、子どものプライドもあるので、先生もなかなか、そんな手助けはしにくくなります。本人も、「入れてあげて」などと言われたら、なんだか同情で遊んでもらっているような気がして、かえって入りにくい気がするものです。

子どもに友だちがいない、というときは、無理やり作らせようとするのではなく、子どもが自然に友だちと遊べるような環境を作ってあげるのがいちばんです。

そのためには、まず、お母さん同士が友だちになりましょう。小学校に上がると、お母さん同士で顔を合わせる機会が減り、仲良くなるのはなかなか難しくなります。

しかし、幼稚園・保育園の時期であれば、まだ大丈夫。お母さん同士が友だちになって、お互いの家を行き来して遊ぶことによって、子どもは変わっていきます。

最初に一人、友だちができてしまえば、あとはその子を通じて、どんどんと輪が広がっていくでしょう。


1~6歳子どもにさせていいガマン・わるいガマン―「ガマンしなさい!」と怒らずにすむ(PHP研究所)
「早く!」「ダメ!」 当然のようにさせているガマンの大半が、実は、させる必要がありません。不要なガマンと必要なガマンとはどんなものなのかを子どもの年齢別に紹介しています。